ゲーム業界大混乱の“Unity税”騒動ついに終結?『Among Us』『Cult of the Lam…

ゲーム業界大混乱の“Unity税”騒動ついに終結?『Among Us』『Cult of the Lamb』に脱Unityの動きも…

ゲーム業界大混乱の“Unity税”騒動ついに終結?『Among Us』『Cult of the Lamb』に脱Unityの動きも… (C)PIXTA

ゲームエンジン『Unity』(ユニティ)のポリシー変更に関わる騒動が、世界中のゲーム開発者を混乱させた。激しい反発を受けたことを踏まえて、9月23日に新たなポリシーが公開され、今後の動向に注目が集まっている。

「Unity」公式が新たなポリシーを提示

騒動の発端は、2024年1月1日から「Unity Runtime Fee」という利用料の導入が発表されたこと。「Unity」を使用・制作されたゲームが、ユーザーにインストールされるたびに利用料が加算されるという仕組みで、“Unity税”と揶揄されていた。

「Unity」は無料プランが用意されており、有料プランも安価で使用できることが特徴で、大手ゲーム会社からインディーズスタジオまで広く浸透している。そのため、突如利用料の導入が発表されたことで、大きな波紋を呼ぶことになった。

猛反発を受けた「Unity」は、謝罪メッセージを公開。そして公式サイトにて、問題点を修正した新ポリシーを発表した。

その内容をまとめると、インディーズや中規模ゲーム開発者向けのプランでは「Runtime Fee」が発生せず、対象は上位プランの「Unity Pro」と「Unity Enterprise」のみになるとのこと。

「Runtime Fee」のポリシーが適用されるのは、2024年以降にリリースされる次のバージョンからで、従来のバージョンを使用して開発・販売されたゲームは該当しない。また、過去12カ月間の売上が100万ドル未満のゲームも対象にならないという。

“脱Unity”を検討するゲームメーカーが続出

「Runtime Fee」の導入が発表された時点で、世界中のゲーム会社が「Unity」への反発を示していた。

たとえばカルト教団シミュレーションゲーム『Cult of the Lamb』のデベロッパーは、「Unity」への痛烈な批判を投稿。また宇宙人狼ゲーム『Among Us』の開発者は、批判と共に、同作を別のゲームエンジンに移すことを示唆している。

そのほかニンテンドースイッチへの移植計画が進んでいたレースゲーム『BallisticNG』のデベロッパーは、騒動の影響を受けて移植を中止したと発表。将来のプロジェクトに向けて別のゲームエンジンへの移行を仄めかしている。

「カイロソフトはSteam上で『カイロソフトのゲームは全部Unityで作っちゃったよセール』を皮肉的に行っていましたが、ポリシー変更を受け、『I Like Unityフェア』と名前を変更しています。

ですが、海外では『Unity』の開発者コミュニティで最古だったBoston Unity Group(B.U.G.)が活動停止を発表するなど、多大な影響が及んでいます。“Unity税”によって運営の信頼が地に落ちたことは間違いないでしょう」(ゲームライター)

この騒動を受けて、“脱Unity”を検討する開発者も相次いでいるという。

「代替ゲームエンジンとしては、やはり大手の『Unreal Engine』(アンリアルエンジン)の名前がよく挙がっていますね。さらに有志の寄付により運営されている、無料オープンソースソフトウェアの『Godot Engine』も一躍注目を浴びており、ここ最近、利用者が急増しているようです」(同)

料金体系を変更することの是非はともかく、突然のポリシー変更はユーザーの信頼を損なう危険な行為でもある。失った信用を取り戻すために、かなりの苦労を強いられそうだ。

文=「まいじつエンタ」編集部

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マハロ / PIXTA