“新たな鬼平”で松本幸四郎&市川染五郎が親子共演! 役作りの秘訣は「父の鬼平の若い頃に徹して演じました」

市川染五郎 

市川染五郎  (C)まいじつ 

歌舞伎俳優の松本幸四郎が、市川染五郎、松平健と共に、12月7日に都内で行われた『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』の完成披露試写会に登壇した。祖父の初代・松本白鸚、叔父の中村吉右衛門が演じた〝鬼平〟こと長谷川平蔵への思いを涙がながらに語った。


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満員の客席に緊張の面持ちで登壇した幸四郎は、「世界一の職人が集まる現場。素敵な輝きを持つ役者さん達とともに長谷川平蔵を務めることが出来ました」と語ると、「真正面から受け止めて返す、強い平蔵。皆さんを信じて務め、刺激のある素敵な現場でした」と感無量の面持ちで客席を見回した。

若き日の平蔵(長谷川銕三郎)を演じる染五郎も「〝新しい鬼平〟が誕生したなと思いましたし、〝新時代の時代劇〟が誕生したなと感じた」と語った。

「叔父の中村の演技をリアルタイムで見ていた」という幸四郎は、「どの作品も素敵さ、カッコよさ、懐の大きさを感じる」と絶賛。自身の平蔵は「実際に叔父が使った煙草入れを使わせてもらい、『誰よりも長谷川平蔵を愛している』という気持ちで務めました」と涙ながらに大役への思いを話し、会場から大きな拍手が起こった。

染五郎も撮影の待ち時間などで、吉右衛門が平蔵と銕三郎を演じる姿を必ず見ており「すべて吸収しようと、自分に刷り込ませるつもりで役作りに挑みました」と話すも「(幸四郎と)すり合わせはありませんが、小道具の持ち方など父から教わりました。吉右衛門様の銕三郎も大きいのですが、父の鬼平の若い頃に徹して演じました」と新たな銕三郎の役作りを説明した。

松平健が時代劇の可能性を語る

作中でキーマンとなる剣客、松岡重兵衛を演じた松平の撮影初日は、川を歩く平蔵を見るシーン。「吉右衛門さんとダブリ風格がありました。若い鬼平になりましたが、パワーがある」と絶賛。重兵衛の最期は平蔵に切られ、平蔵の腕の中で死ぬが「良い思い出になりました。平蔵に切られて幸せでございます」と伝えると、幸四郎も「抱かれて死にたかった。素敵でかっこいい」と見つめ合った。

その重兵衛に銕三郎は師範を受ける。染五郎は「松岡先生(松平)にコテンパンにされることが多く、本当に怖かった。道場で稽古をつけられたり、殺陣のイキとか…」と回顧すると「染み付いてらっしゃる、松平さんと一騎打ちの稽古は貴重な経験になりました」と感謝した。

最後に、松平は「時代劇の道が見えてきた。若手が時代劇を広げていってほしい。期待しています」と話すと、染五郎は「いままでのイメージしていた時代劇とは違う、新しさを感じる時代劇だと思います」と若い世代へアピールした。

幸四郎より「いまは『江戸時代を作るファンタジー。人の想像力を活かせるジャンル』で、進むと思います。人間ドラマを感じるドラマになった。新たな鬼平が誕生したと思います」とメッセージを送った。

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