能登半島地震でPS5とニンテンドースイッチの評価真っ二つ“利便性の悪いデザイン”が生まれた理由

能登半島地震でPS5とニンテンドースイッチの評価真っ二つ“利便性の悪いデザイン”が生まれた理由

能登半島地震でPS5とニンテンドースイッチの評価真っ二つ“利便性の悪いデザイン”が生まれた理由 (C)PIXTA

元日に北陸各地を襲い、痛ましい被害を生んだ能登半島地震。その余波はいまだ続いているが、一部ゲーマーたちはある意味、平和な話題で盛り上がっていた。彼らが夢中なのは、プレイステーション5(PS5)のデザインをめぐる議論だ。

あらためて注目を浴びたPS5のデザイン

発端となったのは、とあるXユーザーが投稿したPS5への不満だった。そのユーザーは横置きのPS5本体の上にコントローラーを置いていたそうだが、地震の揺れによってコントローラーが落下していたという。そのため《利便性の悪いデザイン》をやめてほしいと訴えていた。

PS5の本体デザインは、直線的な形状を採用していた従来のPSシリーズとは大きく異なり、なめらかな曲線を取り入れた構造。コントローラーを上に置こうとするユーザーにとって、こうしたデザインの変化は受け入れがたいものらしく、《子どもがドタバタしても落ちます》《普通に四角でいいんだよ、余計な曲線は不要》と同意する意見が続出していた。

しかしソニー公式によるPS5のセーフティガイドでは、けがや故障の原因になるとして、本体の上に「物を載せない」ように注意喚起している。コントローラーを本体の上に載せて保管するのは、本来メーカーが想定している使い方ではないと言えるだろう。そのため、デザインへの批判に「ほぼ言いがかり」と反論するユーザーも少なくない。

その一方、ネット上では議論に便乗してPS5のデザイン性にあらためて不満を突きつけるユーザーも続出している。そもそもPS5の本体は、発表当初から〝空気清浄機〟と揶揄されていたことで有名だった。

PS5が“なめらかな曲線”の理由

PS5のデザインは、賛否両論を巻き起こしており、昔ながらのPSシリーズを愛用していた人からは無駄にオシャレなどと指摘されている。しかし実際にはPS5は、機能性を突き詰めたデザインだという。

「PS5は性能の高さに比例して、熱量が大きくなったため、空気の流れをよくするための工夫が必要不可欠でした。そのため、クロソイド曲線の採用などを行い、徹底的に無駄をそぎ落とした曲線デザインに辿り着いたといいます。見た目重視のデザインはではなく、すべてに機能的な裏付けがあるというほどです。

その一方で、五次元をメインコンセプトとした見た目も完成度が高く、まさに革命的なデザインと言えるでしょう。業界人からはデザイン性を高く評価されており、2021年度グッドデザイン賞では『グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)』に輝いています」(ゲームライター)

とはいえ、今では機能性を重視したハードといえば、ニンテンドースイッチの名前を挙げる人の方が多いかもしれない。

ユーザーファーストで機能性を追求したニンテンドースイッチと比べ、PS5 はむしろオシャレすぎることが反感を買う原因になったとも言えそうだ。

なお、今回の震災ではPS5と同様、ニンテンドースイッチも脚光を浴びることに。USB-Cポートが存在することから、スマートフォンの緊急充電用バッテリーになるという豆知識が拡散され、「有能すぎる」と称賛されていた。

同時代にニンテンドースイッチという強力なライバルが存在しなければ、PS5はもっと評価されていたかもしれない。

文=「まいじつエンタ」編集部

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