実写版『ゴールデンカムイ』に高まる不安…ロシアと“変態”要素はどうなる?

実写版『ゴールデンカムイ』に高まる不安…ロシアと“変態”要素はどうなる?

実写版『ゴールデンカムイ』に高まる不安…ロシアと“変態”要素はどうなる? (C)PIXTA

4月19日、『週刊ヤングジャンプ』で連載中の人気漫画『ゴールデンカムイ』が実写映画化されることが明らかに。ただでさえ賛否両論を招きやすい実写化の話題だが、とりわけ現在の世界情勢から“原作改変”が不安視されているようだ。

「ロシア」要素は再現不可能?

同作は、北海道を舞台として繰り広げられる“金塊争奪”サバイバル漫画。「不死身の杉元」の異名をもつ杉元佐一と、アイヌの少女・アシリパが相棒となり、埋蔵金をめぐる諸勢力との戦いに巻き込まれていく。

北海道という舞台、そして明治時代後期という時代設定から、さまざまな政治的要素が絡み合うのも大きな見どころ。そもそも登場人物の多くが日露戦争の帰還兵であり、物語の途中からはロシア人のキャラクターも多く出てくる。

他方で、現実ではロシア軍によるウクライナ侵攻が世界中から注目を集めているところ。その制裁としてサッカーゲーム『FIFA 22』からロシアのチームが削除されるなど、多方面を巻き込んだ騒動に発展している状況だ。

そんな中で、ロシアがストーリーの核心に関わってくる「ゴールデンカムイ」が実写化されると聞いて、多くの人が不安を覚えているという。ネット上では《北方領土やロシアネタとかやばいな》《めちゃくちゃセンシティブやないか? 大丈夫か?》《樺太領土問題はじめロシアがガッツリ関わってんのどうすんの? いくらなんでも今は時期が悪すぎるだろ》といった声が飛び交っている。

“変態”たちも削除される?

不安要素は、ロシア関連の話だけではない。「ゴールデンカムイ」はアイヌ文化へのリスペクトが根幹に存在しており、その取り扱いによっては大問題に発展する可能性がある。もし実写化で雑な描写があれば、原作の看板に泥が塗られるかもしれないため、ファンが心配するのも当然ではあるだろう。

実写化にあたり、デリケートな要素が減らされるという予想もあるが、それはそれで別の心配を招いている模様。大幅に原作改変されるのであれば、「やらない方がマシ」だとする意見もあるほどだ。

さらにいえば、作中では姉畑支遁を筆頭として、危険な欲望に突き動かされた男たちが数多く登場する。もしそのまま映像化すれば、全年齢作品にするのは到底不可能であり、厳しい年齢制限が課されることは間違いない。

大衆受けする映画として、実写版「ゴールデンカムイ」を成立させる…。まるで夢物語のようなミッションだが、その成否は如何に。

文=大上賢一

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