アニソン歌手量産の時代に?『YOASOBI』オリコン快挙達成の懸念点

幾田りら 

幾田りら 画/彩賀ゆう  (C)まいじつ 

5月17日に発表された「オリコン週間ストリーミングランキング」で、音楽ユニット『YOASOBI』の楽曲『アイドル』が第1位を獲得した。オリコン史上最速の登場5週目で1億回再生を突破する快挙に、ファンから絶賛の声が後を絶たない。

同楽曲が配信されたのは、4月12日のこと。4月24日付の同ランキングで初登場1位を獲得し、5月22日付のランキングまで5週連続1位をキープしている。週間再生数は2563.3万回を記録しており、これによりYOASOBIは通算13作目の累積再生数1億回を突破したことになった。

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「話題の渦中にある『アイドル』は、アニメ『【推しの子】』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマです。YOASOBIはこれまでにも数々のアニメとタイアップしており、『BEASTARS ビースターズ』(フジテレビ系)第2期ではオープニング曲とエンディング曲の両方を手がけていました。

一時はアニメとタイアップばかりしていたため〝アニソンアーティスト〟と揶揄されていたものの、どの楽曲もアニメファンからは大好評。原作の世界観と独自の解釈を曲に落とし込み、〝作品のために仕上げた一曲〟とはっきりわかるところがファンから受け入れられている要因のようです。現に今回の楽曲に関しても《【推しの子】をここまで表現しきるのさすがだわ》《何回聞いても飽きない》などと好評の声が相次いでいました」(アニメライター)

YOASOBIだけが特別…というわけではない?

もちろんコンポーザー・Ayaseの作詞作曲センスや、ボーカル・ikuraの唯一無二の歌声などは誰でも真似できるものではない。しかし「アイドル」がヒットした一番の理由は、やはり作品とのシンクロ率が高いからだろう。

逆を言えばシンクロ率の高い曲を作れば誰でも話題になる可能性がある。実際、YOASOBIのようにシンクロ率の高いタイアップ曲を手がけ、大きな注目を集めたアーティストは少なくない。anoの『ちゅ、多様性。』(『チェンソーマン』第7話ED)やEveの『廻廻奇譚』(『呪術廻戦』OP)、LiSAの『紅蓮華』(『鬼滅の刃』OP)などもその一例といえる。

さらには今後、YOASOBIの人気にあやかり、彼らの自己プロデュースを真似してくるアーティストも増えてくるだろう。それこそシンクロ率の高い楽曲が増えていけば、YOASOBIが埋もれてしまう日も遠くはないのかもしれない。

現にネット上にも《再生回数がすごいのは認めるけど、来年の今頃には忘れられてるだろうなあ。正確に言えば、来年は別のアニソンが注目されてて、「アイドル」の人気も一過性かなと思う》《少し前に米津のチェンソーマンの曲もよく流れてたけど、今では全然聴かないね? 頻繁に耳に入ってくるのも良くないんじゃない?》《来年には「アイドル」もあぁ~あったねぐらいになってそう》といった書き込みが多く見受けられた。

はたしてYOASOBIの快進撃はどこまで続いていくのか。今後の動向に注目だ。

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