『YOASOBI』1位でぬか喜び!? “世界トレンド”に踊らされる日本人たち…

幾田りら 

幾田りら 画/彩賀ゆう  (C)まいじつ 

先日、アニメ『【推しの子】』の主題歌になっている『YOASOBI』の『アイドル』が、アメリカビルボード・グローバル・チャート『Global Excl. U.S.』で、日本語曲初の首位を獲得したことが話題になり、大手ニュースサイトなどで大々的に報じられた。

これにアニメオタクは、「また日本アニメが世界に羽ばたいた」と大喜び。しかし、このチャートは「ビルボード首位」と誇るにはあまりに権威に欠けている。

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「同チャートは『Global 200』とともに、2020年9月から集計開始された新しい指標。世界200以上の地域から抽出されたダウンロード、ストリーミングデータを集計しているのですが、これは本場であるアメリカを除いた地域のデータなのです。

いわば、寿司の本場である日本を除いた、海外のインチキ寿司だけの人気店ランキングのようなものです」(週刊誌記者)

実際は無価値な指標にもかかわらず、まるで世界の頂点になったかのように大騒ぎ。これは、〝Twitter世界トレンド1位〟に近いものがある。

2021年7月、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)内で、VTuber・ホロライブとコラボした日清のCMが放送された。

これはオタク内で大ウケし、Twitterの世界トレンド1位を獲得したが、実際は日本の限られた層のみに好評だったのは言うまでもないだろう。そもそも、このCMは日本でしか放送されていないのだから。

「最近、ネットニュースではやたらとドラマやアニメが〝Twitter世界トレンド1位〟を獲ったことが報じられていますよね。

今年4月、アニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京系)の新シリーズが開始し、26年間主人公を務めたサトシが交代した時も1位だったと報道。

ドラマでも、昨年秋クールの『君の花になる』(TBS系)、『silent』(フジテレビ系)、『アトムの童』(TBS系)などが、こぞって1位を獲得と報道。

バラエティでも、香取慎吾が出演した『まつもtoなかい』(フジテレビ系)が1位になり、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)は毎週のように1位を獲得…。

しかし、これらが世界中で流行っているのか?の答えは明白で、NO。だってそもそも全部、日本でしか放送されていないのですから。なのに事あるごとに〝世界トレンド!〟と、内輪ネタを世界規模かのように誇張しているのです」(同・記者)

世界規模だと勘違いする日本人たち…?

「ツイッターは海外でユーザー離れを起こしており、国別利用者数は日本が世界2位。アクティブユーザーに関しては1位と言っても良く、国内でトレンド1位になれば、ほぼ自動的に世界1位になります。

アニメ実況やバラエティが世界トレンド1位になるのはこうしたからくりなのですが、本気で世界規模のブームを起こしていると勘違いしている人もいそうですね」(芸能記者)

どうしてこんな勘違いが起こってしまうのか…。

「島国であることに由来するかもしれませんね。他国と地続きの国と違い、他所の文化が入ってこなかったため、ガラパゴス化した独自の風習や精神性が根付いた可能性があります。ネット社会で世界中の情報にアクセスできる時代ですが、何千年と続いたものはそう簡単に変わらないのでしょう」(週刊誌記者)

勘違いに早く気付きますように。

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