イチローの大記録は “達成する意味ナシ”!? 「現代野球では価値がない」

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今シーズン、メジャーリーグで〝ある大記録〟に期待がかかっている。1941年以来、現れていない〝4割打者〟だ。

「かつてイチロー氏も属したマイアミ・マーリンズのルイス・アラエス選手が、開幕から打撃好調で4割を打っているのです。13日には少し落として.397としましたが、夢の大台もあり得ると全米が熱視線。安打製造機のイチロー氏ですらメジャー最高で.372なのですから、いかに大きな記録かが分かるでしょう」(週刊誌記者)

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そんな今季のアラエス選手を持ってしても不可能と言われているのが、イチロー氏が2004年に打ち立てたメジャー年間安打記録だ。

「04年、イチロー氏は後半に驚異的な安打数を積み、84年間破られることのなかったジョージ・シスラーの歴代シーズン最多安打記録257を更新。最終的に記録は262にまで伸び、現在でも破られていません。アラエス選手は打率こそ高いものの、安打数ではイチロー氏を超えるペースではありませんから、いかに不滅の記録かが分かるでしょう」(同・記者)

「達成する価値もない」イチローの珍記録

MLBも、公式にこの記録が〝アンタッチャブルレコード〟であることを認めている。

「これがいかにすごいかを語ると、昨年、MLB公式サイトは『おそらく破られないだろう記録特集』でこの記録を紹介。『記録を破るためには安定感、打席数、現代野球では珍しくなったコンタクト能力が必要』と絶賛しています」(前出・記者)

年間4割を狙える打者でも達成が難しいとなると、確かに、この記録は不滅と言えるかもしれない。しかし一方では、現代野球では〝価値がない〟ために狙わないだけだとの見方もある。

「現在のメジャーは、『打球を遠くに飛ばそうとする方がヒットの確率が高まる』という価値観を指す『フライボール革命』が主流。長距離を狙えるバッターやパワーヒッターこそ正義という風潮が根付いており、262本中225本も単打であったイチローのように、ハナから長打を諦めてヒット狙いに徹するバッターは評価されません。

すなわち、イチローの年間262安打には、〝達成できない〟ではなく〝達成する価値もない〟という要素が強いのです。かつては有効な戦術とされていた送りバントが、今では『得点期待値を下げるだけ』と判明し、バント年間記録を誰も狙わないのと同じですね」(同)

通算ゴロアウト数3629と、こちらもメジャー歴代1位の記録を持つイチロー。メジャー通の間で、パワーヒッターの松井秀喜氏や大谷翔平の方が評価されるのも納得だ。

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