ジブリ新作『君たちはどう生きるか』まさかの空席祭り…宣伝ゼロ作戦が裏目に?

(C)Denis Makarenko / Shutterstock

宮崎駿監督のスタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』が7月14日に公開された。

宮崎監督が手掛ける10年ぶりの長編作品で、全国441館で上映。あらすじや予告映像、キャスト、主題歌など、作品にまつわる事前情報が一切明かされない状態での公開となった。

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スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、昨年12月のイベントで、大ヒット映画『THE FIRST SLAM DUNK』がキャストなどの情報を小出しにしたことを引き合いに、「スラムダンク方式でいく」と宣言。

「何も情報がない方が、皆さん楽しみが増える。先に知っちゃったら喜びを奪うことになる。今回、それを貫きます」と語っていた。

ジブリファンにとっては待望の新作だけに、早くもチケットの争奪戦が勃発している。…と思いきや、全国の映画館の予約状況をみると、出足はかなり鈍いようだ。

初日の14日こそ、7割程度埋まっているが、土日を含む週末は、まだまだ余裕で座席を取れる状態。上映時間によっては、1割程度しか埋まっていない劇場も少なくなく、早くも爆死が予想されているが…。

『君たちはどう生きるか』宣伝ナシの理由

「劇場パンフレットも後日販売になるなど、本編の情報は最低限しか公開されておらず、それが逆にファン以外の興味も引いたようですね。

ポスターに描かれている〝君生きバード〟と呼ばれているキャラクターの絵文字が、ツイッターで『#米津玄師』と入力すると出現する〝仕掛け〟もよかった。

ツイッターユーザーにうまくハマってトレンド入りし、まんまと話題作りに成功しました。

一切の宣伝がないこともあり、ロケットスタートを切ることはできませんが、最初から口コミによるロングランヒットを狙っているのでしょう。

今作はいわばジブリの自主制作映画といってよく、大手広告代理店を介さないことで、高額の広告費を回収する必要がありません。

大成功せずとも、大コケさえしなければ、今後、新しいビジネスモデルとして広がるかもしれません」(映画ライター)

公開後、菅田将暉や柴崎コウ、あいみょんらが出演していることや、主題歌が米津玄師の『地球儀』だったことも話題になっている。

詳細が明らかになったことで、一気にSNSに情報が広がっているが、果たして集客に結びつくか。

〝君生きバード〟が閑古鳥にならなければいいが…。

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