マンガ原作者の監修は危険? 『ドラゴンボール』『るろうに剣心』の失敗点

(C)Roman Samborskyi/ Shutterstock 

7月6日の深夜よりフジテレビ系で放送がスタートした『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の新作アニメ。第1話目から酷評が相次いでいるが、その元凶が原作者となっているのが悲しいところだ。

1996年にTVアニメ化したことのある『るろうに剣心』だが、令和のこの世に再アニメ化。原作者の和月伸宏氏が自ら、キャラクターデザインやシナリオなど全編に渡って完全監修している。

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「しかし和月氏が監修したという部分がやたらと裏目に出ています。まず、声優についてですが、和月氏が『今作は信頼できる新スタッフと忖度一切なしのガチ選考で選ばれた実力派新キャスト』とコメントし、暗に前作の声優をディスっていたのです。なのに、第1話放送時点では圧倒的に前作の声優を推す声が多い。特に主人公の緋村剣心役をめぐっては非難が多い。いずれ慣れてくるかもしれませんが…」(週刊誌記者)

キャラデザインや主題歌もいまいち評判が悪い。

「和月氏が監修したというキャラデザについても、視聴者から『なんでこんなに幼く萌え系なんだろう』と酷評されています。旧作の鋭いタッチの絵柄の方が大人向けでかっこよかった。

さらに、Ayase×R-指定による主題歌『飛天』も、作品の世界観にそぐわないと不人気。まあ、旧作の『JUDY AND MARY』の『そばかす』が合っていたかというと、そんなこともありませんが…」(同・記者)

原作者が介入してダメになったパターン

漫画ファンからやたらと喜ばれる〝原作者の監修〟だが、今回のように手放しに喜べるものではない。時として、原作者の一存で、ファンが望まない方向に進んでしまうことがある。

「大ヒットした映画『THE FIRST SLAM DUNK』も、原作者の井上雄彦氏が監督を務めましたが、声優変更には批判的な声が多かったですよね。結果的に興行収入はとてつもないことになりましたが、いまだに声優変更に関しては賛否が割れています」(同)

『ドラゴンボール』の映画についても、昔はアニメに関してはほとんどノータッチだった原作者の鳥山明氏が最近は舵を取っているが、評価に関しては何とも言えない。

「特に酷いのがやはりキャラデザですね。ドラゴンボールといえば、筋骨隆々のキャラたちが肉弾戦を繰り広げることが醍醐味なのですが、最近の鳥山は筋肉をやたらと抑えたがる。鳥山が新たに考えた孫悟空の新形態・スーパーサイヤ人ゴッドは、変身すると身体の筋肉が小さくなります。

2018年公開の映画『ドラゴンボール超 ブロリー』に関しても、超ムキムキマッチョの大人気キャラ・ブロリーを、鳥山は筋肉少な目にアレンジしてしまいました…。しかしこれを同作の映画監督がこっそりムキムキマッチョに描き換えて制作。ファンからは監督を称える声が殺到しましたよ」(同)

やはり漫画は漫画のプロである原作者に、アニメはアニメのプロであるアニメーターに任せるのが良いのかもしれない…。

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