時代錯誤の価値観? 新ドラマ『真夏のシンデレラ』と『向井くん』の違いは…

画/彩賀ゆう (C)まいじつ

男女8人の恋愛群像劇を描く月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)の評判が芳しくない。

価値観が「昭和じみている」と、違和感を抱く視聴者が多いのだ。

7月17日に放送された第2話では、蒼井夏海(森七菜)の友人・滝川愛梨(吉川愛)が元カレに絡まれる一幕があった。

それを止めようとした夏海と水島健人(間宮祥太朗)も、いざこざに巻き込まれてしまうのだが、夏海の幼なじみ・牧野匠(神尾楓珠)が駆けつけたことで、何とか事態が決着する。

【関連】王道ドラマっぽいけど…『真夏のシンデレラ』ストーリーが破綻している可能性 ほか

夏海に好意を抱きつつも、結局彼女を守れなかった健人。そんな彼を、匠は「守れもしないのに、夏海にあんまり近づくなよ」とけん制するのだった。

また、夏海のもう一人の友人・小椋理沙(仁村紗和)は、溺れているところを助けてくれたライフセーバーの早川宗佑(水上恒司)と再会を果たす。

偶然、理沙が務めるクリーニング店を訪れた宗佑は、再会して早々に「あの日からずっと考えてた。好きだ」「付き合おう」と告白。

戸惑う彼女をよそに「あんた危なっかしいから。守ってやるよ」と伝えるのだった。

「同ドラマでは〝女は男が守るもの〟という、いわば昭和的な価値観をこれでもかというほど強調しています。

一方、今期の別ドラマでは、まったく異なった価値観が提唱されているようで…」(ドラマライター)

〝女は男が守る〟のは古い考え?

「真夏のシンデレラ」と真っ向から対立するのが、7月12日から放送がスタートしたドラマ『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系)だ。

主演・赤楚衛二が演じる向井悟は、彼女に「守ってあげたい」と伝えたら「守るって何?」と詰められてフラれてしまう。

それっきり10年間恋をしてこなかった彼だが、行きつけのスパイス&バーで知り合った女性・坂井戸洸稀(波瑠)に「私は守りたいなんて言われたら、見下されてんな~って思っちゃいます」と言われ、今さらながらフラれた理由を自覚していた。

〝女は男が守る〟ということを正義とする「真夏のシンデレラ」に対し、「向井くん」は否定的。

前者を昭和的とするならば、後者は令和的価値観が物語の軸になっているといえるだろう。

「『向井くん』は、『第13回 ananマンガ大賞 準大賞』に輝いた同名コミックスが原作です。

基本的に漫画は作者自身の描きたいものを描いていることが多いですが、『真夏のシンデレラ』のようなオリジナル脚本だとそうはいきません。

オリジナルドラマともなればスポンサーの意向を少なからず反映させなければならないため、脚本家の思うように描けないことが多々あります。

『あんた危なっかしいから。守ってやるよ』といった古臭い台詞や、音楽などの演出も、もしかしたら脚本家の意向ではないのかもしれません」(同・ライター)

せっかくイチからドラマを作り、若手俳優を起用しても、時代に合わない価値観が反映されてしまっては元も子もないだろう。

【あわせて読みたい】