『どうする家康』有村架純の死が無意味に…妻の思いを踏みにじる主人公に絶句

有村架純

有村架純 画/彩賀ゆう (C)まいじつ

大河ドラマ『どうする家康』(NHK)の第27話『安土城の決闘』が7月16日に放送され、徳川家康(松本潤)が妻・瀬名(有村架純)の思いを踏みにじったとして、視聴者の間で物議を醸している。

瀬名は、2日に放送された第25話『はるかに遠い夢』で自害。戦のない世の中を実現させるために、諸国と〝与え合う関係性〟を築くべきだと進言し、愛息・松平信康(細田佳央太)とともに計画を進めてきた。

だが武田勝頼(眞栄田郷敦)の裏切りにより、コトの全容が織田信長(岡田准一)にバレてしまう。

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瀬名の処分の判断を家康に委ねていた信長だったが、2人を始末しなければ織田勢と戦になると判断した家康は、何とかして妻子を逃がそうとする。対する瀬名は自ら責任を負うことを決意。終盤で自身の人生に終止符を打つのだった――。

「瀬名が最期まで願ったのは、戦国の世に〝安寧の地〟を作ること。その思いを散々聞いておきながら、第26話で家康は『信長を殺す』『わしは天下をとる』と家臣たちに宣言していた。

百歩譲って信長を殺し、天下をとることで安寧の地を築く…という考えならまだしも、どうやら、そうではない。第27話で語られた家康の思いは、ただの私情〟でしかありませんでした」(ドラマライター)

瀬名が自害した意味とは…

第27話では、信長が「謝ってほしいか? 妻と子供を殺してすまなかった、と」「謝らんぞ。くだらん」と煽ったことで家康が激昂する。「くだらん…わが妻と息子の命をくだらんと申すのか!」と怒る家康に、信長は「だからお前に俺の代わりは無理なんじゃ」「憎んでもいい。だから俺の側で俺を支えろ」と胸の内をぶつけた。

だが、家康が納得するわけもなく、最後には「弱き兎が狼を喰らうんじゃ」と暗殺をほのめかし、その場を後にしている。

「信長を討つ動機は十中八九、瀬名と信康を殺された恨みでしょう。2人の処分は家康に委ねられていたとはいえ、状況が状況なだけに〝妻子の始末〟しか選択の余地はありませんでした。つまり信長に妻子を殺されたようなものなのです。

だからといって信長を殺害すれば、瀬名が掲げた〝慈愛の国〟理論から大きく背くことになります。自分が成し得なかった安寧の地を家康に築いてほしくて、自らの責任をとったのに、これでは何のために瀬名が自害したのかわかりません」(同・ライター)

瀬名の退場を伸ばし、〝聖人〟として描いた脚本は、視聴者の中でも賛否が分かれていた。だがこんなにも早く家康が、瀬名の理論に背いてしまっては本末転倒だろう。

いったい彼女を聖人として描いた意図は、どこにあったのだろうか。

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