『VIVANT』は政治風刺ドラマ? 漂う“きな臭さ”で視聴者離れの予感

堺雅人 

堺雅人 画/彩賀ゆう  (C)まいじつ 

俳優の堺雅人が主演を務める日曜劇場『VIVANT』(TBS系)第2話が7月23日に放送され、謎のワード〝VIVANT〟の意味をめぐって盛り上がっている。

警視庁公安部外事第4課・野崎守(阿部寛)の助けで、乃木憂助(堺)と柚木薫(二階堂ふみ)は、バルカ共和国の警察の追跡から逃れ、日本大使館へたどり着いた。

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身の安全を確保しながら国外へ逃げようと試みる一同だが、野崎は「アマン建設会社」のアル=ザイール(エルヘムバヤル・ガンボルド)の残した「VIVANT」という聞きなれない言葉の意味について、バルカ共和国の人間が「別館(=BEKKAN)」を発音したものだと推測する。

さらに、BEBBANの3、4文字目の「BB」の一部分を消して「PP」にして「別班(=BEPPAN)」だと予想。「別班」とは、非政府組織で一部の自衛官のみが加入を許された〝影の諜報部隊〟のことを指すという…。

「作中では、別班という組織が日本を影で支えていると主張していました。日本政府はあえてバカなふりをして、実は裏で上手く立ち回ってテロを防いでいるとか…。第1話では、乃木が逆転劇を起こす『半沢直樹』系の作品という印象を受けましたが、第2話にして政治や陰謀論っぽいワードが飛び交い、きな臭さが漂ってきました。これに拒否反応を示し始めている視聴者もいるため、これ以上、政治的な話になると、どんどん人が離れていくかもしれません」(芸能ライター)

『エルピス』『新聞記者』はヒットしたが…

しかし現在の日本エンタメ界は、政治風刺的な作品が流行りつつある。

「近年は、長澤まさみ演じる元人気アナウンサーが、過去に起きたえん罪事件をひっくり返そうと奮闘するドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(フジテレビ系)や、政権中枢部の汚職疑惑をめぐる深い闇を暴く『新聞記者』などが大ヒット。映画版の『新聞記者』は第43回日本アカデミー賞で賞を総なめしています」(ドラマライター)

もともと日本であまり制作されていないだけで、政治風刺は海外で最もウケるジャンルのひとつ。アメリカ初の女性副大統領の奮闘劇を描いたドラマ『VEEP/ヴィープ』や、イギリス発のSF社会風刺ドラマ『ブラック・ミラー』を観たことがある人も多いだろう。

「『VIVANT』は昨今の日本ドラマでは異例ともいえる2か月半に及ぶ大規模ロケをモンゴルで敢行。国籍・言語の壁を越えた約250人のエキストラを採用し、総数3000頭以上のラクダやヤギといった動物も撮影に参加させた。映像のスケールに力を入れ、ストーリーは政治風刺と、〝日曜劇場を世界へ〟と本気で世界水準を目指しているようです」(前出のライター)

国内では話題を呼んでいるが、はたしてその結果は…。

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