『真夏のシンデレラ』脚本&キャラ崩壊 好きな映画『秒速』の心地悪さ

真夏のシンデレラ

真夏のシンデレラ 画/彩賀ゆう (C)まいじつ

7月24日放送の月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)第3話で、新海誠監督のアニメーション映画『秒速5センチメートル』が登場し、話題を呼んでいる。

第3話では、18歳の時に産んだ息子を育てるシングルマザーの小椋理沙(仁村紗和)と、溺れた彼女を人工呼吸で救って一目惚れしたライフセーバーの早川宗佑(水上恒司)が〝良い感じ〟の雰囲気に。

早川の自宅で一緒にお酒を飲むシーンでは、理沙が『秒速5センチメートル』の円盤があることに気付くと、早川は「子供の頃、始めて映画館で観た映画だったから」と説明。すると、理沙は驚いた表情で「えっ、マジで? 私も」と明かし、そこで早川が「やっぱり運命だな、俺たち」と大げさに言うと、理沙は笑顔で「運命とか言われたらウソでも嬉しい」と反応する。

そして、2人は良い雰囲気となり、キス。次の登場シーンでは、翌朝に裸で布団にうずくまる2人の姿が映されるのだった。

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「登場人物の基本情報は公開されていないものの、18歳のときに息子を出産し、その息子は5~7歳だと想定されるため、理沙はおよそ25歳前後。『秒速5センチメートル』は2007年公開の映画ですから、すなわち理沙は小学4年生のときまで映画館へ足を運んだことがないという設定になります。

しかも当時『秒速』は、大手映画館で放映されず、単館上映から細々と順次ミニシアター系で公開していったため、よほどアニメオタクじゃないと存在を知らない作品でした。両親がよほどのアニメ好きなのか、理沙がガチオタなのか。どちらにしろ、設定としてはかなり不自然」(芸能ライター)

新海誠監督も呆れ気味「設定考証的にどうかな」

放送後、『秒速』の新海監督は自身のツイッターで、感謝の意とともに《設定考証的にどうかな? とは制作側にお伝えはしたのですが笑、それでも、ということでしたので。嬉しいです》とツイート。なんと新海監督自ら「設定考証がおかしい」と指摘していたのだ。

「結局、このドラマの作り手は根本的に〝それっぽいシーン〟さえ撮影できれば、物語が破綻しようが、辻褄が合わなかろうが、どうでもいいと考えているのでしょう。それっぽい台詞とどこかで見たようなシーンを繋ぎ合わせただけ。ドラマとして成り立っていません。〝ショート動画をまとめたみたいなドラマ〟なんて揶揄もあるほどです」(同・ライター)

『秒速』のシーンに関してはキャラとの相性も含めて悪手だったとの指摘も。

「好きな映画を語るというのは、キャラクターの人物像が最も伝わる描写。『秒速』という〝いかにも〟な作品を引用する時点でセンスはお察し。制作側は、なんとなくサブカル風にしたかったのでしょうけど、理沙と早川が『秒速』好きには見えない。

理沙は昨晩にゃんにゃんしたかと思えば、翌朝を迎えて賢者タイムになったのか、早川に『もう名前で呼ばないで』と突然言い出す始末。〝刹那的な関係に一抹の寂しさを感じるアタシ〟感が透けていて、シンプルにイタい奴ですから。まあ〝『秒速』大好きなアタシが大好き〟なキャラと思えば、一応の整合性はありそうですが」(同・ライター)

アニメが国民的コンテンツになると、さまざまな弊害が生まれるようだ。

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