『VIVANT』引き延ばしが多すぎ? 不要なシーン連発に隠された「意図」

堺雅人  

堺雅人 画/彩賀ゆう (C)まいじつ

1話当たり1億円の巨額制作費をつぎ込んでいると報じられた日曜劇場『VIVANT』(TBS系)。だが、予想よりもはるかに小さい費用対効果に、現場の制作陣はあくせくしているようだ。

同作は、TBS系の『半沢直樹』『下町ロケット』をはじめ、数々の大ヒットドラマを手掛けてきた福澤克雄氏が原作・演出を担当。

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主演の堺のほかにも、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司という全員主役級の豪華キャストを揃えた〝肝いり〟の作品だ。

昨今の日本ドラマ界では異例ともいえる2か月半に及ぶ大規模ロケをモンゴルで敢行した同作だが、それを前面に宣伝してしまったからなのか、モンゴルでのシーンが無駄に長く、視聴者は早くも飽き気味だという。

「特に7月23日放送された第2話では、バルカ共和国から脱獄しようと、〝死の砂漠〟と呼ばれる気候の大変厳しい砂漠をラクダで横断した。ラストでは、二階堂演じる医師・薫が落ちてしまうも、翌週の第3話ではあっさりと発見。

特に他のシーンに繋がるような場面でもなく、あまりに不要な展開だけに、『その引き延ばし、いる?』と感じた視聴者も多いのでは」(ドラマライター)

乃木と視聴者の心がリンク?

第1~3話とこれまで全ての放送回が拡大版。実質では5話分くらい放送しているわりに肝心のストーリーは、スタートラインに立ったばかりという有り様。

3話の後半でようやく逃亡劇が終わって日本に帰国。堺が演じる乃木が無実を証明するため、凄腕のホワイトハッカー・東条翔太(濱田岳)とともに会社のセキュリティーデータをハッキング。その結果、〝犯人〟を突き止めることに成功した。

「帰国してからは、話のテンポが一気に加速。やっと本筋のストーリーが進みましたね。

制作費を多額にかけた海外での逃亡劇がやたらと長く、視聴者が飽きてしまうギリギリでしたよ。

しかしながら、このテンポの緩急こそがドラマの見どころであり、乃木自身が真に体感した時間経過を表現しているようです。ストーリーが進まなくて不要なシーンに見えがちですが、その視聴者のフラストレーションは乃木の苛立ちや苦労とリンクして、作品への没入感を生み出しているのです」(ネットメディア編集)

まあ、どれだけ引き延ばしと言われようと、ラクダの名演は多くの視聴者のハートをつかんだようだが…。

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