“DQNの川流れ”トレンド入り! 子ども4名を含む13名が死亡した「玄倉川水難事故」

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8月に入り、水難事故のニュースが世間を騒がせている。15日には新潟県糸魚川市の海水浴場で20代の男性が浮いているのが見つかり、その後、死亡が確認された。

また、13日には同県・村上市でも水難事故が発生。友人2人で川遊びしていたところ、深みにはまって溺れてしまい、友人が助けようとしたが流され、28歳の男性が死亡した。

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そんな中、13日に突如〝DQNの川流れ〟という言葉がSNSのトレンドに浮上した。

「〝DQNの川流れ〟というのは、1999年8月14日に神奈川県足柄上郡の玄倉川で発生した水難事故のこと。

前日から玄倉川の中州でキャンプをしていた、横浜市の産廃処理会社に勤める男性社員ら子ども6人を含むグループが、大雨の増水によって流され、社員5名と妻2名、1歳から9歳の子ども4名、知人の女性2名の計13名が死亡しました。

グループは再三、避難するよう警告されていましたが、これを無視。ダム管理職員と警察が退避勧告を行うも、『大丈夫』と聞き入れなかったことで、〝非常識な行動をする人〟というネットスラングの〝DQN〟と呼ばれました」(ネットトレンドウォッチャー)

当事者に突撃するユーチューバーも

河川がどんどん増水し、家族が水に流される様子は当時、テレビ中継され、世間に大きな衝撃を与えた。以降、水難事故の大きな抑止力になったのは言うまでもないだろう。

すでに四半世紀近い過去のことで、人々の記憶も徐々に薄くなる中、実はあるユーチューバーが、この水難事故で生き残った男性に突撃する動画を投稿しており、物議を醸していた。

「ユーチューバーは男性が働いている会社に突撃取材し、『救助されたときにおにぎり叩きつけてましたよね』などといいながら、男性におにぎりを手渡そうとするなどやりたい放題。

男性はやんわりとこれを拒否し、『全然ネットなんて見てないもん。ありがとうございます』と大人の対応で話を切り上げました。当時の態度はともかく、多くの身内や知人を亡くしている人の心をえぐるような行為には、批判的な意見が上がっています」(同・ウォッチャー)

この事故を受けて気象庁は2000年6月より、「弱い」「小型」といった表現は誤解される恐れがあるとして、「弱い熱帯低気圧」を「熱帯低気圧」に変更。台風の強さの「弱い」「並の強さ」、台風の大きさの「ごく小さい」「小型」「中型」の表現を廃止している。

自ら招いた事故とはいえ、生き残った5人はいまでも当時の行動を悔いているだろう。これから河川などで水遊びをする人は、くれぐれも天候の変化や増水に注意を払い、危険を感じたらすぐに避難するよう心がけてほしい。

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