怖くない『ほん怖』が20年以上続くワケ 売れない俳優へ助け舟?

稲垣 吾郎 

稲垣 吾郎  (C)まいじつ

20年以上の歴史を持つホラー特番『ほんとにあった怖い話』(フジテレビ系) の「夏の特別編2023」が8月19日に放送された。長年の歴史を疑いたくなるほどコメディ祭りだったと視聴者は呆れている。

今回は元『乃木坂46』白石麻衣、とにかく明るい安村、元『BiSH』のセントチヒロ・チッチ、鈴鹿央士、中村アン、『GENERATIONS from EXILE TRIBE』の片寄涼太がそれぞれ主演を務める、全6話が放送された。

中でもチッチの『視えない来客』、安村の『うしろの正面』、中村の『視線の出処』が笑いを生んでいたようだ。

「視えない来客」はチッチの実体験を元に作られたエピソードで、実家に帰省した彼女に降りかかる怪奇現象をドラマ化したもの。

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クライマックスに登場したのは違和感満載な、浮遊する平安貴族のような男性。偶然か、その直後に『アコム』のCMが流れ、同じような格好の男性がキレキレなダンスを披露していた。

中村主演の「視線の出処」には、包帯でぐるぐる巻きにされたミイラ男が登場。しかもそのミイラ男がやったことといえば、いびきのような音を立てて主人公たちの睡眠を妨害しただけ。最後にようやく姿を現したものの、病室のベッドで静かに横たわっているだけだった。

そして銭湯で体験した不気味な出来事をドラマ化した「うしろの正面」には、安村の持ちネタ「安心してください、履いてますよ」まで登場する始末。

怖さより面白さの方が勝っていたようで、怖い作品を求めていた視聴者からは落胆の声が飛び交った。

目的は「怖がらせること」ではない?

ひと昔前の「ほん怖」はそれなりに怖さに定評があったが、近年はいまいちとパッとしない。それでも放送され続ける理由とは、いったい何なのだろうか。

「最近の『ほん怖』は芸能事務所への忖度が見え隠れしており、吉本芸人、坂道グループの出演が目立つ。昔は綾瀬はるかや佐藤健、石原さとみといった俳優陣が名を連ねていましたが、最近はキャストも霞んでいるように思えます。

今回も鈴鹿、白石、チッチなど、役者としては小粒なメンツが勢ぞろい。現在の『ほん怖』は微妙な役者たちが脚光を浴びるのにちょうどいい番組となっているのでは」(芸能ライター)

1番怖いのは、老いを感じさせないMCの稲垣吾郎かもしれない。

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