今期人気ドラマのキーワードは「考察」 トップ3の『VIVANT』『ハヤブサ消防団』『最高の教師』が考察ドラマ大ブームを巻き起こす

堺雅人

堺雅人 画/彩賀ゆう (C)まいじつ

夏ドラマの人気作に共通するワードは考察だ。

「オリコンが調査した夏ドラマ満足度ランキングは、おおむね毎週1位『VIVANT』(TBS系)、2位『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)、3位『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)となっています。SNSを見ても、トップ3に3作品を挙げている人がかなり多い。トップ3と他の作品で大きな差があるように感じます」(ドラマライター)

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そしてトップ3の作品に共通することが、考察要素だという。

「どの作品も、真犯人は誰だの、あの人の正体はなんだのと、SNSで考察合戦が繰り広げられています。昨今はドラマをSNSで実況しながら見るのがトレンドですが、考察ドラマはドラマ放送後もあーだこーだと盛り上がり続けて、次週までその視聴熱が持続する傾向にあります」(同・ライター)

SNSでの盛り上がりが、ドラマの評価を高めるうえでかなり重要になった今の時代、考察ドラマは親和性が非常に高い。

最終回で20%近い視聴率を記録した『あなたの番です』

考察ドラマの先駆け的な存在は、2019年放送の『あなたの番です』(日本テレビ系)だった。

日本テレビ系としては、実に25年ぶりの2クール連続放送。マンションの住人同士の〝交換殺人ゲーム〟の謎を追うサスペンスミステリードラマとしてスタートしたが、放送当初は大失敗と揶揄されていた。

「1クール目は視聴率があっという間に落ちて6%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)を連発。2クール連続は無理があると言われていましたが、事件解決編に向かい始めた2クール目はグングンと視聴率が上昇。二桁視聴率を連発して、最終回19.4%という快挙を達成したのです」(同)

視聴率が取れないと言われている現代に、ここまでの高視聴率を記録したのも、考察ドラマならでは。

「録画視聴する人が多くなっていますが、考察ドラマはリアルタイムで見ないとSNSで簡単にネタバレを食らってしまう。そのため、事件の真相に迫る後半になると、爆発的に視聴率が伸びてくるのです。

21年放送の『最愛』(TBS系)や、21年から22年にかけて放送された『真犯人フラグ』(日本テレビ系)、22年放送の『マイファミリー』(TBS系)も考察ドラマで、同じく最終回にグンと視聴率を伸ばしています」(同)

考察ドラマの最終回は、まるでスポーツ観戦のごとく大きな盛り上がりを見せる。今クールのトップ3独占状態を見ると、今後も考察ドラマが増えていきそうだ。

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