ジャニーズへの“忖度疑惑”は言いがかり! 人気・実力・需要ナシの男性アイドルグループがテレビに出演できないのは当然だ

井ノ原快彦、東山紀之、藤島ジュリー景子氏、木目田裕弁護士

左から、井ノ原快彦、東山紀之、藤島ジュリー景子氏、木目田裕弁護士 (C)まいじつ

9月7日に開かれたジャニーズ事務所の会見で飛び出した〝忖度〟問題。だが、これには強い偏見がある上、メディアが自身の責任を棚上げするものだった。

ジャニーズをめぐっては〝圧力〟の噂が絶えず、2019年には『新しい地図』の出演をめぐり、民放各社に働きかけを行っていたとして公正取引委員会から注意を受けている。

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会見でこれらについて聞かれると、前社長・藤島ジュリー景子氏は一切の関与を否定。疑惑については聞いたことがあるとしながら、「『メリー(喜多川元副社長)が誰々を出すな』と言ったというのは聞いたことはない」と述べた。

それでも、会見では同様の質問が相次ぐ。中には、圧力がないなら何故ジャニーズタレントがこれだけTVに出ているのかという質問もあったが、その内情を知らないだけと言わざるを得ない。

なぜTVに出られるのかと言うと、それだけの需要があるからと言う他ない。良し悪しは別として、ジャニーズほどブランド化し、多くの固定ファンを抱える事務所がないことは客観的な事実。これは、事務所を辞めた途端、ファンが激減することからも分かるだろう。

翻って他の男性グループにこれほどの知名度・人気はなく、「需要がないためオファーしない」という、極めてシンプルな理由が導き出される。

そもそも音楽業界をめぐっては、音楽番組に影響力を持つ日本音楽事業者協会、ライブをメインにしている日本音楽制作者連盟など、所属組織の複雑な利害関係も絡んでくる。

会見では『INI』、『JO1』、『BE:FIRST』、日髙光啓、平野紫耀といった実名を列挙し、元ジャニーズは地上波に出にくい風土があるとの追求もあった。

だが、前述3組は『音楽の日2023』(TBS系)で『Travis Japan』とコラボしているし、日髙光啓がいた『AAA』も地上波音楽番組の常連だ。

先日も『少年忍者』と「BE:FIRST」のSHUNTOが『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出ているし、平野ら『TOBE』に関しては、そもそもテレビというコンテンツに見切りをつけ、ネットを中心に活動しているだけだ。

“忖度”をジャニーズ側の責任に?

一連の性加害問題をめぐっては、特別チームの調査報告書で、ジャニーズと取引関係にあることから、長年にわたり沈黙してきたメディアの罪も指摘されている。

現在、各TV局は連日ジャニーズ叩きに勤しみ、反省文のような〝お気持ち表明〟も公開しているが、「今さら白々しい」「メディアも共犯」という厳しい指摘も多い。

実際、〝忖度〟に関しては、メディアの側にも大きな責任があるだろう。

公正中立なキャスティングをしたいのなら、取引先との利害関係など意識せず、堂々と起用すればいいこと。根底にあるのは、大口の〝お得意先〟との関係、つまり売上や視聴率といった利益を優先したメディアの拝金主義だ。

ジャニーズは日本でいち早く男性アイドル業に参入し、戦後、マスメディアの発達と共に多くの人脈を作り上げてきた。黎明期からのお得意先を優遇するのはどこの業界も同じで、いわば日本の商習慣そのものが問題とも言えるだろう。

会見に同席したジャニーズアイランド社長・井ノ原快彦も、「『忖度をなくします』と言っても、急になくなるものではない。忖度って日本に蔓延しているから、これを無くすのは本当に大変」「皆さんの問題でもあるので、一緒に考えていく問題」「その辺りはご協力いただきたい」と、メディア側に呼びかけている。

ジャニーズのみならず、メディアに自省と自浄が求められるのは自明の理だ。

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