有名配信者・兄者が「こんなのストリートファイターじゃない」…格ゲープレイヤーからはツッコミ続々

有名配信者・兄者が「こんなのストリートファイターじゃない」…格ゲープレイヤーからはツッコミ続々

有名配信者・兄者が「こんなのストリートファイターじゃない」…格ゲープレイヤーからはツッコミ続々 (C)PIXTA

最近は新キャラクター「A.K.I.」の実装によって、盛り上がりを見せている格闘ゲーム『ストリートファイター6』。ストリーマーやVTuberたちも熱心にプレイしているようだが、人気ゲーム実況者・兄者の発言に、古参格ゲープレイヤーからツッコミが殺到してしまった。

「後ろに下がり続ける戦法」は卑怯なのか

問題の発言は、兄者がX(旧・ツイッター)で9月29日に投稿した《結局マスター帯でも後ろに下がり続ける人ばっかりなのなんとかならんかね。こんなのストリートファイターじゃないでしょ》という書き込み。

どうやら消極的な戦いをするプレイヤーに辟易しているようだが、この発言をゲームバランスへの批判と捉えた人もいたようだ。

さらに、兄者の使用キャラクターが豊富な投げ技を持つことでお馴染みのザンギエフだったことも、ツッコミが相次いでしまった原因だろう。

ザンギエフはいわゆる“投げキャラ”であり、近距離での戦いに特化した性能をしている。対戦相手のプレイヤーからすると、近寄りたくないのは当たり前。『ストリートファイター6』にかぎった話ではなく、2D格闘ゲームにおける投げキャラとの対戦のセオリーだ。

兄者の発言に対して、「むしろそれがストリートファイターの基本なのでは?」といった疑問の声が上がったのは、当然の流れだった。

「場外乱闘」も格闘ゲーム界隈の伝統

今作のザンギエフは、決して万能の最強キャラクターではない。自身の強みを活かせる展開に持ち込めば勝てるものの、極端につらい組み合わせや状況が存在する、尖った性能が与えられている。何もさせてもらえず完封されることもあるので、思わず愚痴を言いたくなることもあるのだろう。

たとえば「後ろに下がり続ける人」という部分に関しては、今作から“影縫い”と呼ばれるテクニックが使えなくなったので、これまでのシリーズよりも近寄りづらくなったと感じるザンギエフ使いがいてもおかしくはない。

また、現在強いと言われているJPというキャラクターが、飛び道具を主体とする遠距離キャラクターなのも、ザンギエフ使いにとっては逆風だ。ひたすら飛び道具を避けるだけのミニゲームのような対戦が続けば、言いたいことの1つや2つは出てくるものだろう。

とはいえ、今作には「ドライブラッシュ」のような相手に近づくための手段も多数用意されている。決して下がり続けることが強いというゲームではなく、むしろ攻めが強いゲームという評価だ。

だが、古来より格闘ゲーム界隈には「自分の気に入らない戦法は全部ハメ」という伝統文化があることも忘れてはならない。投げ技の間合いまで近寄れないのは、自分のプレイングが悪いのではなく、相手の戦い方に“品”がないからだ…と主張するのは、いかにも正統な格闘ゲームプレイヤーのあり方だ。

むしろ長く格闘ゲームを続けるには、「自分の気に入らない戦法は全部ハメ」のメンタルが必要なのかもしれない。「ストリートファイター6」の影響で新規層が爆発的に増えている今こそ、プレイヤーの言動には寛容になりたいところだ。

文=大上賢一

【画像】

mapo / PIXTA