流行語大賞は“野球以外”を選ぶべき? ゴリ押し騒動の過去でWBCイヤーでも選外になる可能性

画/彩賀ゆう (C)まいじつ

「ユーキャン新語・流行語大賞」の季節が、今年もまたやってきた。選考を巡って定期的に物議を醸す同賞だが、今年もさっそく議論を呼んでいる。

11月2日、今年度の候補となるノミネート語30が発表された。リストには「10円パン」「蛙化現象」「チャットGPT」など流行りの現象・アイテムから、「闇バイト」「性加害」「頂き女子」といったネガティブな事象の関連語句まで並ぶ。

そんな中、今年もまた議論を呼んだのが、もはや恒例となっている野球ネタの多さだ。

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今年の野球関連ワードは、WBCで大谷翔平が発した「憧れるのをやめましょう」を筆頭に、同じくWBCで注目を集めた「ペッパーミル・パフォーマンス/ラーズ・ヌートバー」、ダントツで優勝した阪神タイガースのスローガン「アレ(A.R.E.)」の3つ。ノミネート段階で全体の1割を占めている。

ところで、今年も野球ネタが大賞受賞となると、史上初となる異例の出来事にもなり…。

 “野球ネタを大賞”にしづらいジレンマが?

「昨年の大賞は、東京ヤクルトスワローズ・村上宗隆選手を指す『村神様』。その前年は大谷の『リアル二刀流/ショータイム』で、野球ネタが2年連続で続いています。これは2015~16年の『トリプルスリー』『神ってる』以来であり、今年も受賞すると3年連続で野球関連という事態となります」(スポーツ紙記者)

昨年の「村神様」をめぐっては、野球ファンしか知らない、野球ファンでもヤクルトファンしか使っていないなど、「実際には流行っていない」との批判が吹き荒れたことが記憶に新しい。

15年の「トリプルスリー」、16年の「神ってる」、21年の大谷に関しても、それぞれ「『あったかいんだからぁ~』『PPAP』『うっせぇわ』の方が流行った」などと異論が噴出し、賞の権威を失墜させることにも繋がった。

だが、今年は上半期にWBC旋風が起き、平日昼間に50%近い視聴率を獲得するなど、野球ファンのみならず大きな話題を博したのは事実だ。ゴリ押しの印象があった例年とは異なり、大賞でも異論は少ないことが予想されるだろう。

ネット上にも、《流石にWBC関連で文句ないでしょう》《WBCがあれだけ大盛り上がりだったんだ そりゃ野球が中心になるわな》《まあWBCでしょうね》《憧れるのはやめましょう。しかないですよ。大谷はホームランキングだしね》といった意見が見られているが…。

「今年の大賞がWBC関連でも、多くの国民が納得するでしょう。しかし、さすがに3年連続というのはあからさまだし、ゴリ押しの前科があることからも、『野球に傾倒しすぎ』『また野球』と批判を呼ぶのは必至。大賞選出により、本当に流行っていたのに異論が出ることになりかねません。いわば選考委員は、過去の行いが原因で、『本当に流行った言葉でも、選出すると批判を呼ぶ』というムードを自ら作り上げてしまったわけです」(同・記者)

今年は「本当に流行ったのに野球用語を選べない」という〝逆忖〟の年になるかも!?

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