吉本興業“圧力ルール”をこっそり撤廃? 事務所移籍タレントへの仕打ちを緩和していた

近藤春菜 画/彩賀ゆう (C)まいじつ

お笑いコンビの『ハリセンボン』が、2023年いっぱいで吉本興業を退社し、芸能事務所・GATEに移籍した。

「ハリセンボン」は近藤春菜が2019年、吉本の闇営業問題に関し、レギュラーだった『スッキリ』(日本テレビ系)でMC・加藤浩次とともに吉本上層部を批判。同年8月にエージェント契約へ変更され、事務所内で〝冷や飯食らい〟になったと叫ばれていた。

こうした窮地を脱するためか、相方・箕輪はるかと共に事務所移籍を決断した形に。移籍後は『ドリフに大挑戦!』(フジテレビ系)、『ぴったり にちようチャップリン』(テレビ東京系)などに出演している。

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しかし、吉本興業といえば、巨大な権力を背景に、移籍にとりわけ厳しい事務所として知られていたはずだ。

「追放同然に退所した宮迫博之は、未だ地上波復帰が叶っていない。古くは、『大平サブロー・シロー』や島田洋七も、退所によって干されたことを明かしています。

『サブロー・シロー』は特に酷く、1988年の退所後、吉本の圧力で仕事がなくなり、93年の復帰時には『3カ月ノーギャラ』『バイト禁止』『会長の墓参りを欠かさない』『独立しようとしたタレントの説得役を行う』との7条件を課されたことを暴露している。

サブローは闇営業騒動の時に、テレビで『僕は1回辞めてますからね。外出てどんだけ怖い思いしたか』と振り返っています」(お笑い事務所関係者)

昨今は、吉本子会社のShowtitleが、専属マネジメントを手掛けている『NMB48』に〝退所後2年間は活動できない〟という制限を設けていたことで悪名高い。

普通の退所ならセーフになった?

「最近グラビア復帰したNMBの1期生・渡辺美優紀は、2016年8月にグループを卒業し、翌年4月に配信サイトの生放送で仕事復帰。しかし、開始時刻になっても配信はスタートせず、急遽『本日の配信は事情により中止となりました』と発表され、波紋を広げました。

渡辺はこの件について、ブログで『会社にて生放送スタンバイしていたのですが、私もわからないのですが、5分前に事情により中止になっていました』と、直前で〝何者かの圧力〟で中止に追い込まれたことをうかがわせています。

16年秋には、半年前にグループを卒業したばかりの西村愛華、前年卒業の照井穂乃佳らがライブ出演を告知したところ、『留学セミナーとのバッティング』『一身上の都合』といった不可解な理由で一斉に出演辞退。吉本の圧力かと、ファンの間で話題になりました。

1期生として渡辺・山本彩と3トップだった山田菜々も、2021年3月の芸能界引退時、吉本のギャラが安いことから他事務所への移籍を画策したが、2年間活動できないルールのせいで何度も諦めたと語っています」(アイドルライター)

翻って現在、「ハリセンボン」や『オリエンタルラジオ』藤森慎吾、なかやまきんに君、元「NMB」村瀬紗英といった元吉本タレントたちは、移籍後も空白期間なく活動を続けている。かつて存在していた2年縛りは撤廃されたことが分かる。

昨今は芸能事務所の独立・圧力騒動で厳しい視線が注がれていることもあり、吉本もようやく不当な扱いを辞めたのだろう。許されないのは、事務所や松本人志に楯突いた宮迫と中田敦彦くらいだ。

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