佐々木朗希のワガママなのか、日本球界が古すぎるのか…野球少年たちの“メジャー志向”に大きな危機感

 

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「令和の完全試合男」「令和の怪物」の異名で知られる千葉ロッテマリーンズ・佐々木朗希投手が、野球ファンからかつてない失望を買っている。

佐々木はかねてからアメリカ・メジャーリーグへの挑戦を志望しており、昨年12月9日に、プロ4年目で早くも来季メジャー移籍を球団に要望していることが一部報道で判明。アメリカメディアでも、水面下で交渉を重ねていると報じられた。


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結局、球団側はポスティングを認めず、12月15日の申請締め切りを過ぎたことで、メジャー移籍は立ち消えた形だ。しかし、佐々木はまだ諦めていないようで…。

「佐々木はその後も、2024年オフのメジャー移籍を容認するよう求めるなど、球団に圧力をかけていると報じられている。しかし、佐々木は完全試合の印象が強いだけで、二桁勝利も規定投球回に乗ったこともなく、吉井理人監督をはじめ球団側は、もう少し実績を残してからが筋だと交渉は難航しています」(スポーツ紙記者)

プロ野球は2月1日にキャンプインを迎えるが、佐々木は1月下旬時点で、未だに来季の契約を結んでいない。メジャー挑戦と国内残留をめぐり、交渉が泥沼の長期化していることが分かるだろう。

こうした中、佐々木が〝禁じ手〟ともいえる身勝手な行動に出ていたことが発覚する。なんと、プロ野球選手会を脱退していたことが、1月25日発売の週刊文春で発覚したのだ。

「選手会の加入は任意ではあるものの、実際はほぼ全選手が加入し、2023年時点で入っていないのは、メジャー帰りの平野佳寿、青木宣親、オフにメジャー移籍した山本由伸だけ。若手で加入していないのは佐々木ただ1人であり、異例です」(同・記者)

佐々木朗希のココがヤバイ!

この報道に野球ファンからは賛否が湧いたが、目立つのは〝否〟だ。

《選手会がNPBと交渉して獲得した権利を選手会に加入していない選手が使うな》《古田とかが泣きながら勝ち取ってきた権利 それを全部後ろ足で砂かけて出ていくってのは腹立つ》《みんなルール守って行ってんだよ》《下積みがムダみたいに言う典型的な若い人だな》など、厳しい意見が相次いでいる。

「佐々木はこのままでは球団のキャンプに参加できず、自費でキャンプインする可能性もあるが、かつて自費キャンプの経験がある元プロ野球選手・G.G.佐藤氏は、自身のXで《当時は自分が正しいと思っていた 今はそこまで固執しなくても良かったな》と悔恨をポスト。佐々木にも《あの時は自分の正義を曲げることができなかった 朗希君にはよく曲がる変化球のように柔軟な考え方をしてほしい》と、周囲の意見も聞くよう求めています」(同)


だが一方で、佐々木に理解を示す声も。「恩義が~」「球団に恩返しを~」という意見で佐々木批判するのは、そもそも感情論に過ぎず、佐々木をロッテに縛り付けようとする様子に《ザ社畜日本って感じ》《日本人の醜いところが凝縮されている》《古臭い日本的な考えやめませんか》《ブラックな昭和っぽさを感じる》などと指摘されている。

そもそも、年俸以上の活躍をしているうえ、グッズなどで莫大な利益を出している時点で、すでに十分に球団に貢献しているといえるだろう。結局、根底にあるのは、メジャー志望選手の増加に伴う、日本プロ野球界の衰退懸念だ。

「野球の本場にして最高峰のリーグかつ、報酬もケタ違いなのですから、メジャー志望の選手が増えるのは当然。佐々木が選手会脱退というタブーを犯してまでメジャーを目指すのも、メジャー志望選手の意向を叶えられる柔軟なルール作りができていないという裏返しかもしれません。こうなると将来的に見えてくるのは、日本球界出禁を覚悟でドラフトを拒否し、アマから直接アメリカへ渡る選手の続出。今とは比にならない人材の流出です。

メディアは野球人気アップのために大谷翔平やWBCの話題を連発していますが、これでは、日本プロ野球ではなく、人気がアップするのはメジャーリーグ。このままではメジャー志望の少年たちがさらに増加し、将来的なプロ野球の人材不足、球界の衰退を招くのは目に見えている」(スポーツジャーナリスト)

NPBはMLBの下請け組織と化してしまうのだろうか。

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