『ウマ娘』マネーがW杯に流れたワケは? サイバーエージェントの英断に感謝の声

『ウマ娘』マネーがW杯に流れたワケは? サイバーエージェントの英断に感謝の声

『ウマ娘』マネーがW杯に流れたワケは? サイバーエージェントの英断に感謝の声 (C)PIXTA

これまで競馬に触れてこなかった層にも、競馬の面白さや歴史を伝えた覇権コンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』。そんな『ウマ娘』に現在、サッカーファンたちが感謝する事態が巻き起こっているという。一体両者にどのような関係があるのだろうか。

「W杯無料生中継」の裏にウマ娘?

3月15日、動画配信サービスの『ABEMA』が、『FIFAワールドカップカタール2022』(W杯)の全64試合を無料で生中継することを発表。グループリーグを含めた全試合の無料配信は、日本で初めての試みだという。

そのために『株式会社AbemaTV』は相当の出資を行ったらしい。代表取締役社長の藤田晋氏は、自身のツイッターで《アベマとしては過去最大の投資となります》と語っていた。

しかし、なぜ「W杯全試合無料生中継」を実施する判断に至ったのか。その背景には、「ウマ娘」の驚異的な大ヒットが関係しているそうだ。「ウマ娘」の開発や運営など行っている『Cygames』は、藤田氏が代表取締役社長を務める『サイバーエージェント』の子会社。藤田氏は『日本経済新聞』の取材に対して、「ウマ娘」のヒットによって業績に余裕ができたことが理由の1つだと語っていた。

「ウマ娘」の成功がW杯の無料中継に繋がったとのことで、サッカーファンからは《ありがとう、ウマ娘》《これはウマ娘様様ですわ》《なんだよ、サッカーファンはウマ娘に足向けて寝られないじゃん》《サッカーファンは今すぐウマ娘やるべき》《ウマ娘にみんなが課金してくれたおかげでABEMAでサッカーW杯が全試合無料で見れることになりました! ありがとうオタクのみんな! できればW杯も見てくれよな!》といった声が。まさかの朗報に喜びを隠せないようだ。

たしかに「サイバーエージェント」の決算資料を見てみても、「ウマ娘」が流行る前と後とではその差が明らか。ゲーム事業の営業利益はリリース直前の2021年第1四半期が約11億円だったのに対し、2021年第2四半期は232億円にまで跳ね上がっている。前年同時期の営業利益と比べても、2倍以上の数字を記録していた。

『ウマ娘』マネーはなぜサッカーに?

しかし一方で、“ウマ娘マネー”をサッカーへつぎ込んだことへ《ゲームが売上好調なので赤字でもサッカー放映しますって、冷静に考えて俺たちめちゃくちゃキレていいよな》《ウマ娘オタクから搾り取った金をサッカー放映権に使い込んだサイゲを許すな》《サッカー見ない側からしたら他の事にお金使うならウマ娘の新規実装キャラ期待して良いんですよね?》《ガチャ渋いまま馬関係でなくそれをやるのか》《ウマ娘マネーをサッカーに使うのは違いますよね。そのお金でたくさんの名馬の許可がもらえるかもしれないのに》と反発する「ウマ娘」ファンも少なくない。

では、なぜ藤田氏はサッカー中継の放映権を買ったのだろうか。まず第一に藤田氏がサッカー好きという単純な理由が挙げられるだろう。2006年にはJリーグ『東京ヴェルディ』を運営する日本テレビフットボールクラブの副社長に就任したが、成績低迷などが理由で2年後に撤退していた。しかし、2018年にJリーグ『FC町田ゼルビア』を運営する株式会社ゼルビアの株を買収して、藤田氏はオーナーに就任している。

2020年5月に公開された『REAL SPORTS』のインタビューで藤田氏は、なぜ「町田ゼルビア」の経営権を取得したかと聞かれ、《単純に言えば、サッカーが好きだからです》と回答。また、「東京ヴェルディ」の失敗で批判されたにも関わらず、またサッカー事業へ関わったことへ《やっぱりサッカーには悪魔的な魅力があるので。もうね、底なし沼のような魅力があるんですよね…。だから、世界中の大富豪がこぞってサッカークラブのオーナーになって、どんどんお金をつぎ込むんだと思います》と答えていた。

また、1973生まれの藤田氏と近い世代のサッカークラブオーナーは多い。『FC東京』を運営する東京フットボールクラブ株式会社を子会社した『ミクシィ』の木村弘毅氏は1975年生まれ、『V・ファーレン長崎』の親会社『ジャパネットホールディングス』の高田旭人氏は1979年生まれ、『鹿島アントラーズ』の経営権を取得した『メルカリ』の小泉文明氏は1980年生まれである。1993年にJリーグが開幕したことを考えると、10~20代にサッカーの人気と魅力をモロに受けた世代なのかもしれない。

まさに「ウマ娘様様」といったところで、今後は『ウマ娘』での利益を、「ABEMA」など別事業の強化に繋げていくのかもしれない。スポーツ系の動画配信サービスといえば『DAZN』といった競合も多いが、“ウマ娘マネー”で何馬身突き放せるのだろうか。

文=「まいじつエンタ」編集部

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