『週刊少年ジャンプ』が誇るダークファンタジーの金字塔『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』(バスタード)が、満を持してアニメ化。6月30日からNetflixで配信が始まったが、作中のとある描写をめぐって不満の声が殺到しているという。
誰もが期待していたお色気要素
「バスタード」の舞台となるのは、魔法と剣が支配する混沌の世界。古の大魔法使い、ダーク・シュナイダーが蘇り、世界の命運を賭けた戦いへと身を投じていく…というストーリーだ。壮大なファンタジーの世界観と、少年漫画とは思えないセクシー描写によって、連載が始まった1988年から熱狂的な人気を博している。
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— 『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』アニメ公式 (@bastard_PR) June 30, 2022
すでにNetflixでは前半にあたる第1話~第13話が配信されているのだが、そこで物議を醸してしまったのが、ヒロインであるティア・ノート・ヨーコのバストだった。これといって作画崩壊を起こしているわけではないが、コアな原作ファンからは激しい批判を浴びていた。
ネトフリ版ではヨーコの胸元が最近流行りの“袋状”となっており、服から突き出るように丸い輪郭が描かれている。しかし原作では天に向かって一点が突き出るような描き方で、服が重力に従って垂れ下がっていた。
ちなみに1990年代に制作されたOVAは、基本的には原作に忠実なフェチ描写となっており、なだらかな稜線が美しい描き方。バストの下に大きな影ができるところも、原作のマインドを受け継いでいる。
失われつつある古き良きフェチズム
ツイッター上では、そんなネトフリ版の描写について、《水風船みたい》《表現がコレジャナイ感すごい》《やる気がない》《原作通りの女性の身体にしてほしい》といった声が続出。とある原作ファンは、数十ツイートにわたって厳しく批評を行い、《中学生レベルのヌルいフェチ》と断じていた。
最近のアニメでは、猫も杓子も水風船のような“袋”表現を採用しがち。それについて、硬派なオタクの間ではさまざまな議論が行われていたが、ネトフリ版「バスタード」は安易に流行りの表現を採用してしまったようにも見える。
そもそも「バスタード」という作品において、女性キャラクターのお色気は“魂”とも言える部分。たんに露出が多いだけではなく、さまざまなフェティシズムのこだわりがあったことで、当時の青少年に衝撃を与えたのだ。そうした熱意があまり感じられず、ありきたりなアニメ化になってしまったことが、反感を買った原因ではないだろうか。
最近ではいろいろと表現の制約が強い時代になったことで、お色気系のアニメが減っているのが現状。そのためアニメーターなどの制作スタッフも、経験値があまり足りていないのかもしれない。伝説の名作をアニメ化するにあたり、最強のスタッフを揃えてほしかったところではあるが…。
文=「まいじつエンタ」編集部
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