『M-1グランプリ2022』直後にコンビ解散…ラストイヤーで散った芸人

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さまざまな前評判を覆して、『M-1グランプリ2022』でお笑いコンビ『ウエストランド』が見事に優勝を果たした。

この大躍進の陰に隠れ、期待されていたコンビの夢が散ることに。解散を表明したのは、吉本興業に所属する『井下好井』だ。

2人はM-1決勝前日の12月17日、YouTubeやそれぞれのSNSで年内解散を発表。今後はそれぞれピンで活動していくという。

解散理由については、好井まさおがYouTubeで「お互いに限界だという話になった」「やれることは全部やった」と告白。

また、何度もM-1に参加したが準々決勝の壁を破ることができず、芸歴制限で最後の参加資格だった今回も同じ結果だったことを挙げている。

つまり、井下好井はM-1を理由としてコンビを解消したと言ってもいいだろう。そしてこの形は、大会の設立者である島田紳助氏が思い描いていたモデルケースでもあるのだ。

芸人をあきらめるきっかけの『M-1』

「紳助氏がM-1を設立したのは、若手発掘という意味合いのほか、〝若手漫才師が辞めるきっかけ〟を作るため。

これは『10年もやって決勝に出られないなら諦めた方がいい』という思惑で、『スピードワゴン』小沢一敬や『東京ダイナマイト』松田大輔といった決勝経験者がラジオで語ったほか、『平成ノブシコブシ』徳井健太が著書に書くなど、有名な話です」(お笑い研究家)

実際、これは紳助氏自らも度々公言していた。

「この『辞めるきっかけを与える』狙いについては、紳助氏自身が様々な場所で公言。だからこそ、大会10年目の2010年、紳助氏は一区切りとして大会に幕を下ろしたわけです」(同・研究家)

ネット上にも、

《M-1決勝行けてれば、こんな終わりじゃなかったかもね》
《井下好井解散か…M-1の光と影だよな》
《M-1はやっぱり芸人さんの人生を変える大会なんだな…》
《あんな実力あってM-1準々決勝常連になっても解散しなきゃならんのか》
《M-1ラストイヤー終えた直後に井下好井解散なの、残酷すぎて辛い》

など、大会が井下好井を解散へ導いたことに対する思いが書き込まれている。

紳助氏の狙いは、ファンにとっては残酷だったようだ。

井下好井の分まで、ウエストランドには「M-1もうざい!」「お笑いファンはうざい!」と頑張ってもらわねばならない。

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