上原浩治を継ぐエースの誕生! 山﨑伊織が“ビッグプレー”で勝利を呼び込む

(C)Andrey Yurlov/ Shutterstock

背番号19は上原浩治、菅野智之を継ぐエースの系譜か!?

7月4日の対中日ドラゴンズ戦、巨人は一発攻勢で5-1と快勝した。しかし、讃えたいのは野手陣ではなく、投打で流れを呼び寄せた先発・山﨑伊織だ。

この日は初回に2番の丸佳浩が得意の四球で出塁するも、4番・岡本和真の打順で盗塁に失敗し、打席途中でチェンジ。

【関連】広島に2連敗でも実質勝利!? 坂本勇人の不在を補った山﨑伊織の好プレー ほか

岡本は現在、セ・リーグHR王と長打が期待でき、ランナー一塁でも先制の可能性があっただけに、いきなり鈴木尚広走塁コーチの拙攻ぶりが目立った。

しかし、このミスを帳消しするように、3回には丸がライトへ今季10号アーチ。この回、先頭の山﨑がレフト前ヒットで出塁したため、2点を先制する一発となった。

この〝2ラン〟という部分はかなり大きい。4回、山﨑は連打で1点を返されているため、自身の出塁がなければ同点に追いつかれていた。

そうなれば緊張感やムードもまた変わってきて、後の追加点も出なかったかもしれない。

戸郷・山﨑伊のダブルエース!

特にビッグプレーだったのは、7回の牽制だ。山﨑は一死一、三塁で一打同点のピンチを招いたのだが、ここで一塁への牽制が決まりツーアウト。

それまで中日側に傾いていた流れを完全に断ち切ったことが、テレビ越しでも分かるプレーだった。

BSテレ東で解説を務めた中畑清と里崎智也も、この牽制には「ナイスプレー」「これは大きい」と、息を呑むように揃って舌を巻いていた。

直後の攻撃で、大城卓三が3ランを放って試合を決定づけたのも、山﨑の牽制で流れを掴み返したためだろう。

終わってみれば、7回被安打4、自責点1と素晴らしいピッチングを見せ、打っても先制2ランを呼び込むヒットを放った山﨑は、投打のヒーローと言っても差し支えないかもしれない。

メジャーでは大谷翔平が大活躍しているが、山﨑も巨人軍の二刀流戦士と言えるだろう。

課題のリリーフ陣も、2番手のタイラー・ビーディが二死満塁、4番手の菊地大稀が二死一、二塁とそれぞれピンチを背負ったが、結果無失点で切り抜けている。

粘り強さで得点を許さないのは、これまでとは違う頼もしい姿だ。

これから夏場に入り、投手陣は疲れとの戦いになるが、リーグ最多勝を走る戸郷翔征に加え、山﨑もエース級の投球をしてくれれば、巨人軍の未来は明るいだろう。

このまま〝メイクレジェンド〟の再来となる大逆転優勝を掴み、若大将・原辰徳監督に3年ぶりの胴上げをプレゼントできるか。

【あわせて読みたい】