日本ハム唯一の希望? 復帰助っ人投手に付きまとうジレンマ

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プロ野球パ・リーグで最下位に沈む北海道日本ハムにとって唯一の希望と言えるのが、23日に復帰登板する先発投手・ポンセの存在だ。

実に3カ月ぶりの復帰登板で、へばり気味の投手陣に活を入れられる存在ではあるが、不安要素もゼロではない。

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ポンセは2022年シーズン、14試合に先発し3勝5敗、防御率3.35で終わったものの、8月27日のソフトバンク戦でノーヒットノーランを達成。23年シーズンの残留を勝ち取った。

陽気で、チームに明るさをもたらす性格の良さがチームに一味加える。

22年シーズンはエラーした日本人選手を自ら励ましに行き、「ノーノー」達成時にはインタビューで2年目(当時)捕手・古川裕大のリードを真っ先に称えるなど周囲への配慮も忘れない。

今年はキャンプで沖縄・名護入りするとひとり砂浜でくつろぎ、海開き前にもかかわらず海にプカプカと浮くなどマイペースな姿を見せた。

後に地元から注意を受けて、海に入るのはやめたが、調整は順調に見えた。

だが今季初登板となった4月4日のロッテ戦で3回1/3、自責点5と打ち込まれて敗戦投手に。同時に左大腿四頭筋腱の部分断裂が明らかになり、米国に一時帰国していた。

内野連携は大丈夫なのか…?

3カ月ぶりの登板で期待も膨らむが、一抹の不安もあると野球記者は話す。

「春キャンプ中の2月7日、内野練習で無死一塁を想定し、ポンセがバント処理をした。だが足がもつれ気味になり、不安定な体勢から二塁に送球。明らかな調整不足が露呈する形となった。

このキャンプで、日本ハムの守備は総じてグダグダ。臨時コーチとして20日に訪れた元中日監督・谷繁元信氏も呆れかえるほどだった」

そこからオープン戦と4月の1登板を交え、久々のマウンドとなるポンセだが、23日の試合は内野、特に捕手との連携がポイントになりそうだ。

「現状のままいけば、捕手はA.マルティネス、伏見寅威、郡司裕也、梅林優貴の4択になる。本当なら長打力があり、オールスター第2戦で敢闘選手賞を受賞したマルティネスを捕手に完全固定したいところ。

だが、今季日本ハムに加入したマルティネスは、キューバ代表としてワールド・ベースボール・クラシックに出場し、春キャンプには加わっていない。

入団会見は3月24日までずれ込んだ。オープン戦を含め、ポンセとバッテリーを組まないままぶっつけ本番になってしまう。

伏見、郡司、梅林の3択にすると、一発の怖さがなくなる。ただでさえ打線が機能していないのに…。ポンセが活躍すればするほど打線の融通が利かなくなるジレンマが待ち受けている」(同・記者)

反転攻勢には欠かせないポンセだが、順風満帆にはいかないのかもしれない。

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