TBS一強時代へ!? 視聴率三冠でも苦しいテレビ朝日の内情

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今期の夏ドラマ視聴率トップ5をTBSとテレビ朝日が独占している。

平均視聴率ランキング第1位は、堺雅人が主演を務める日曜劇場『VIVANT』(TBS系)。第2話まで放送されており、初回は11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)、第2話は11.9%をマークし、平均世帯視聴率は11.7%を記録している。

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続く2位は、中村倫也主演の木曜ドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)。第1話10.5%、第2話9.4%と数字を落としているものの、平均世帯視聴率は10.0%で2ケタだ。

続けて3位『シッコウ!!~犬と私と執行官』(テレビ朝日系)、4位『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(TBS系)、5位『トリリオンゲーム』(TBS系)という順番になっている。

「『VIVANT』は超豪華俳優陣を起用し、2カ月の海外ロケを敢行するなど、ここ最近の日本ドラマとしては破格のスケールで作品が作られています。この予算は同局の他ドラマを削って持ってきたと言われており、『VIVANT』が視聴率トップなのは当たり前。それよりも注目するべきは、TBSドラマの『18/40』『トリリオンゲーム』が予想以上に数字をとれたということでしょう」(芸能記者)

コア視聴率に強いTBS

見逃し無料動画配信サービス『TVer』を見てみると、「VIVANT」のお気に入り登録者数は7月28日時点で106万人超。108分スペシャルで放送された第1話は、公開からわずか3日足らずで再生数200万回以上を記録した。

一方、テレビ朝日の「ハヤブサ消防団」はお気に入り登録者数79.2万人、「シッコウ!!~犬と私と執行官」は60万人と、少し物足りない数字だ。

「テレビ朝日はいまだ世帯視聴率を重視しているようですが、いま広告主が重視しているのは、コア視聴率と『TVer』のお気に入り登録者数。コア視聴率とは、購買意欲の高い13~49歳の男女(ファミリー層)の個人視聴率のことを指し、CM売上高に直結する。

テレビ朝日のコア視聴率は、日本テレビ、TBS、フジテレビより下。若者にあまり見られていないテレビ朝日に対して、TBSはそれなりにファミリー層を上手く取り込めている」(元テレビ誌ライター)

2022年の年間平均視聴率は、テレビ朝日が個人視聴率プライムトップ、世帯視聴率で全日・プライムの2冠に輝いた。にもかかわらず、CM売上高は日本テレビの方が上だった。

「テレビ朝日は、いくら世帯・個人視聴率が取れているとはいえ、内情は厳しい。まんべんなく数字がいいTBSを打破するのには、あと一押し足りない状況です」(同・ライター)

テレビの見られ方が、また少しずつ変わってきているようだ。

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