「楽しくなければテレビじゃない」のフジテレビが楽しくなくなった理由

(C)cowardlion / Shutterstock

近い将来、東京のキー局が潰れるかもしれない。

フジテレビの宮内正喜会長が、社内の新体制全体会議で「深刻で緊急事態とも言える状況」と発言。かつて民放の王者だったフジが、いよいよ危機感を募らせはじめているのだ。

「テレビが斜陽産業というのは、もう何年も前から言われている話。キー局はどこもお笑い事務所の株式を持っていて、安いギャラで使える。テレビは新人お笑い芸人のウリ場みたいになり、安かろう悪かろうの内容。視聴率が取れるはずもない。各局の売り物の夕方ニュースや23時台ニュースは、いずれもフジが民放4局のなかで最下位ですからピンチなのは間違いない」(テレビライター)

【関連】フジ『27時間テレビ』MC“10年固定計画”でブランド化 過去イチ絶賛で長期政権へ ほか

1月にはじまった昼の情報番組『ぽかぽか』は、個人視聴率がほぼ連日1%割れ。バラエティーでありながら、コア視聴率(13~49歳の個人視聴率)が0.5%を切ることもある。

「番組内容は、スポンサーに入っている一部メーカーのオススメ飲食店の紹介。あとは『ハライチ』とフリーアナウンサー・神田愛花のおしゃべり。以前は地方局の過去映像を毎日延々と流していました。こんな安い作りじゃどうにもならないでしょう」(同・ライター)

『ぽかぽか』は楽しい番組か

2022年度の年間個人視聴率とCM売上高を見てみよう。

【個人視聴率・全日帯:午前6時~深夜0時】は、日本テレビとテレビ朝日が3.6%で同率1位。次いでTBSが2.8%、フジテレビが2.4%だ。

【個人視聴率・プライム帯:午後7時~同11時】は、テレビ朝日が5.6%で、日本テレビが5.4%。次いでTBSが4.2%、フジテレビが3.8%だ。

【CM売上高】は日本テレビが2369億800万円で堂々の1位。次いでテレビ朝日が1791億4100万円、TBSが1628億8500万円。最下位はフジテレビで1603億8000万円だ。

通常のデータとして扱われる視聴率は「世帯視聴率」で、個人のおよそ倍の数字である。

ただし、『ぽかぽか』などは世帯視聴率に換算しても平均1%台の可能性が高い。とくに『ハライチ』は暴言が多く、人気もない。何かと目立とうとする神田愛花も目障りだ。

かつて「楽しくなければテレビじゃない」というスローガンを掲げていたフジテレビ。現在の幹部たちは、『ぽかぽか』が楽しい番組だと思っているのだろうか…。

【あわせて読みたい】