『屋根裏のラジャー』も“ジェネリックジブリ”なのか? 過去作の爆死で期待薄

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8月21日に行われた「スタジオポノック」6年ぶりの新作長編アニメーション映画『屋根裏のラジャー』(百瀬義行監督、12月15日公開)の完成報告会見で、西村義明プロデューサーが「映画が出来る前に会社が倒産する可能性があった」と明かした。

「スタジオポノック」は、2013年にスタジオジブリ作品『かぐや姫の物語』(高畑勲監督)でプロデューサーを務めた西村氏が、ジブリを離れた後、2015年4月に設立した会社。その後、17年7月に『メアリと魔女の花』を公開したが、長編映画の制作は、設立から8年でたった1本のみだ。

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「屋根裏のラジャー」は公開が1年延期している。その原因について西村氏は、クオリティー重視の映画作りを行ったためと話す一方、「公開を延期して制作を続行する場合、人件費がかかる」「映画が出来る前にポノック倒産、解散、それが22年1月に現実味を帯びてきた」と明らかにするのだった。

とにかく酷かった『メアリと魔女の花』

「正直、『メアリと魔女の花』は、過去のジブリ作品のあらゆる要素をかき集めた様な映画という印象。そのほとんどに既視感があり、絵柄はジブリ風でも、物語の深みや余韻は全くないと言っていい。

監督を務めた米林宏昌氏は、ジブリ時代に『思い出のマーニー』を制作していますが、ジブリの鈴木敏夫プロデューサーいわく、米林氏は〝ただ監督業をやりたいだけ〟の人物。物語のアイデアがあるわけでもないのに、自ら監督をやりたいと直談判してきたというのですから驚きです。その感じは、それっぽいシーンを詰め込んだだけの『メアリと魔女の花』に出まくっていましたね」(芸能ライター)

今回監督を務める百瀬監督も、米林氏同様に元ジブリのメンバー。〝ジェネリックジブリ〟作品として、期待の声がなくもないが…。

「ジブリファンは察していると思いますが、西村氏や米林氏、百瀬氏の能力が低いのではなく、単純に宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーを超える逸材はいないんです。

宮崎監督が書かないジブリはジブリ作品と認めないとコアなファンもいますし、脱ジブリメンバーには〝ジブリ風〟作品ではなく、自分らしい作品で勝負してもらいたいものです」(同)

とはいえ、「今度こそ良作であれ…」と期待して映画チケットを購入してしまうのだから、仕方のないものだ。

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