VTuberは“頂き女子”なのか? 弱者男性から搾取するビジネスシステムに類似点

 

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恋愛感情を利用して、複数の男性から1億5000万円以上を騙し取った上、これらのマニュアルを販売した「頂き女子りりちゃん」こと渡邊真衣被告が、詐欺と詐欺幇助の罪に問われている。

その悪質さは言うまでもないが、「バーチャルキャバクラ」と揶揄されているVTuber界隈も、頂き女子界隈と変わらないのではないかと議論を呼んでいる。


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ご存じの人も多いかと思うが、簡単に言うとVTuberとは、自身の声にイラストアニメーションを当て、キャラが自我を持っているかのように演じるコンテンツ。ファンは推し配信者にスパチャ・投げ銭を行うのだが、これが〝バーチャルキャバクラ〟と言われるゆえんだ。

これに味を占めたのか、VTuberをめぐるビジネスは過激さを増していく。年収数百万円のVTuberファンがスパチャ・投げ銭し、配信者は濡れ手に粟で高額所得を得る構図が文化として確立されている。

そして先日、この構造を象徴するようなケースが発生し、物議を醸した。

年収1億円近い配信者が貧乏アピール

騒動が巻き起こったのは、よりにもよってクリスマスイブの夜。ホロライブ所属の人気VTuber・博衣こよりはこの日、有馬記念で54万円負けたとして、夕食にもやしを食べたとXにアップする。

こうしたアピールが功を奏したのか、リスナーから食事代として5万円もの高額スパチャが相次いだのだ。蟹工船もびっくりな搾取の構図が、ネット上で議論の的になっている。

一部では「頂き女子」と変わらないとして、《りりちゃんやんw》《りりちゃんよりエグい》《一晩でウン百万円も投げ銭が飛んでくるのになんでビンボー人が投げ銭しなきゃならんのだ》《これが許されて、ホストが許されない闇》といった声が相次いでいる。

現在、ホストへの貢ぎ行為が悪質商法として問題視され、国会でも議論されるほどの社会問題と化している。

「ホストへ貢ぐ女性の保護も叫ばれているのであれば、VTuberの投げ銭規制や、そのファンの保護も必要ではないのだろうか。軽犯罪法第1条第22号には、《こじきをし、又はこじきをさせた者》が処罰の対象であると明記されている。ここで言う《こじき》とは、『不特定多数に対し、同情に訴えて、見返りもなく金品を求める行為』のことを指します。

刑罰は《これを拘留又は科料に処する》と軽微ですが、VTuberのやっていることが当てはまるのではないかと言われている。現在、国会でホストクラブが問題になっているので、ここが片付いたら、次は類似ケースとして議論の的になるでしょう」(VTuberアンチの芸能ライター)

博衣こよりはXで《スパチャは全額本人の手元には来ないよ!》《54万は普通に大金じゃい!笑》と説明している。

現在は男性VTuberも人気で、運営会社は決算で増益を発表している。ホロライブでは、VTuber一人あたりの収益が「年間3億円」突破したとも言われているが、実際はどれほど儲かっているのだろうか。

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