吉本芸人はユーチューバー以下の集まり! 松本人志騒動にダンマリを続ける不甲斐なさ

松本人志 

松本人志 画/彩賀ゆう  (C)まいじつ 

芸人がユーチューバーを「所詮は素人」「タレントもどき」と見下し、悦に浸る様は誰しも見たことがあるだろう。『千鳥』大悟は自身の息子に、ユーチューバーのことを「あれはパパになれんかったヤツの集まり」と説明したと明かしている。


【関連】人気芸能人はモラル違反を許されるべき? 大御所タレントの“松本人志擁護”がキツい「免罪符になってはいけない」 ほか

だが、この評価は芸人側のうぬぼれ、思い違いに他ならない。松本人志の性加害騒動で、芸人は自身がバカにしているユーチューバー以下という現実が浮き彫りになっているのだ。

松本の騒動で、後輩たちが明らかに忖度しているのは知っての通り。日頃はワイドショーなどでコメントし、ジャニーズ問題では証言のみで糾弾していた芸人たちも、「証言が真実とは限らないのでまだ喋るべきじゃない」「双方の意見を聞くべき」と急に優等生のような回答をし始めた。

そもそもコメンテーターとは、事実がどうかわからないことをあれこれと考察して、自身の知りうる範囲の情報を提示しながらしゃべる仕事ではないだろうか。

今回の事件は芸人にとって最も身近な題材にも関わらず、周囲への聞き取りや自身の類似した体験談などを一切話さない姿勢は、コメンテーター失格だ。

奥歯に物が挟まったような物言いは、権力者たる松本への遠慮や畏怖がまざまざとにじんでおり、語るに落ちるといったところだろう。松本に苦言を呈したのは、ビートたけし、西川のりお、上沼恵美子といった先輩や、すでにメディアから消えている『ウーマンラッシュアワー』村本大輔くらい。

こうした情けない状況の中、ズバッと斬り込んだ上〝エンターテインメント〟にした革命者がいる。ユーチューバーのヒカルだ。

ヒカルは1月23日、自身のYouTubeチャンネルに『グランドハイアットに泊まってるから飲もうと誘ったら誰か来てくれるのか?』と題した動画を公開した。

グランドハイアットは何を隠そう、松本が性加害の舞台として女性を集めていたことが週刊文春で報じられたホテル。ヒカルはホテルのスイートルームという、報道と全く同じ場所に宿泊し、〝この場所での飲み会に吉本芸人を誘う〟という風刺にも似た企画を行ったのだ。



バカにしているユーチューバー以下の存在?

しかし、最初に電話で誘った『TKO』木下隆行は、場所を聞くなり「良くないよ」とボソリ。低音で「このトーン分かるやろ?」「何でもアリじゃないから」と、本気でヒカルに注意を呼びかけ参加を断った。

続いて電話したのは、松本や吉本から絶縁されている宮迫博之。今では無関係のため誘いに乗ると思われたが、「行かへんわ!」「ダメや!」「なんちゅう電話や」などと苦笑する。

3人目のカジサックこと梶原雄太も「今、多分グランドハイアットで飲まない方がいいっすね」「正気か?」と企画に絶句。ヒカルは笑うも電話口の梶原は重苦しく、「これカットやわ」「攻めすぎやって」とNGを出し、「一旦ちょっと吉本と連絡取るわ」とパニックに陥っていた。

最後に電話した『インパルス』堤下敦も、「あの、大変お答え辛いっちゃ辛いんですけれども、ちょっとグランドハイアットは危ない気がするんですよね」「芸人とグランドハイアット相性悪いっす今」と参加を拒否。誘った芸人全員に断られてしまった。

この姿勢から見えるのは、今や芸人はユーチューバー以下という現実だ。

本来、芸人とはスキャンダルさえも笑いに変えるバイタリティが求められる存在だろう。『爆笑問題』太田光は、21日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で「王様が転げ落ちるという物語を、自分が面白いと思えるように作れるとするのであれば、その笑いこそが松本さんを救えると思う」とコメントしている。

落語家の立川志らくも自身のXで、仮に無実だったらという前提で《今回の事を糧に更なる凄い芸人に昇華して下さい。これらの事を全て笑いに変えちゃう松本人志を期待してます》《自分の境遇を笑いにすると言う事です》と求めている。

フリーアナウンサーの古舘伊知郎も、15日更新の自身のYouTubeで「吉本の後輩芸人さんたちが『事実関係がまだ分からないので、何ともコメントのしようがない』的な発言をしていて」「面白いことを言うべき芸人さんたちが、まるでつまらない政治家の文言のようになってしまうのはつらい状況」と指摘。芸人にもかかわらず笑いに変えないという、仕事放棄に等しい姿勢を斬っている。

しかし、後輩芸人たちは、揃いも揃ってグランドハイアットと松本を腫れ物扱いで、〝触らぬ神に祟りなし〟と言わんばかり。プロの芸人にもかかわらず、全く笑いにできないどころか、笑いにする姿勢すら感じられない。

一方のヒカルは、世間の関心を元にネタとして動画をアップし、見事リスナーの笑いを誘っている。芸人たちはユーチューバーを「素人」などとバカにするが、どちらが真のエンターテイナーかは言うまでもないだろう。

もはや、日本のエンタメ・娯楽の中心はYouTubeだ。『ダウンタウン』を筆頭にしてお笑い芸人の地位が上がり、いまやバラエティー番組のみならず、朝の情報番組や紅白歌合戦の司会まで芸人になった。

しかし、長らく続いてきた〝お笑いブーム〟も、これにて終焉か。

【あわせて読みたい】