『にじさんじ』にアイマスオタクが激怒! 歌ってみた動画で泥沼の争いに…

『にじさんじ』にアイマスオタクが激怒! 歌ってみた動画で泥沼の争いに…

『にじさんじ』にアイマスオタクが激怒! 歌ってみた動画で泥沼の争いに… (C)PIXTA

『にじさんじ』所属の人気VTuberが、同事務所の4周年を記念した「歌ってみた」動画を公開。しかし、その楽曲がTVアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』(デレマス)の挿入歌だったことから、一部アイマスファンの逆鱗に触れてしまったようだ。

騒動を呼んでいるのは、森中花咲のYouTubeチャンネルで2月3日に公開された『【15人合唱】M@GIC☆ (cover)【にじさんじ4th Anniversary】』。森中のほか、月ノ美兎や勇気ちひろ、椎名唯華、リゼ・ヘルエスタなど、15人のライバーが参加している。

映像内では、「デレマス」をモチーフとしたライバーのイラストやアニメーションも使用されており、原曲へのリスペクトを感じられる内容と言えるだろう。

しかし「M@GIC☆」は、TVアニメ最終話のライブシーンで“トリ”に配置されていた楽曲。また「アイマス」シリーズでは「@」がついた楽曲が特別視されているのだが、「デレマス」では「M@GIC☆」が初めての「@」楽曲だ。

そうした思い入れの強さから、畑違いのVTuberに歌われたことが我慢ならなかったのだろうか。ネット上では《ガワや人数揃えただけで感動にタダ乗りしようとしてる感を感じてしまってものすごく嫌》《M@GICに対してリスペクトがなさすぎないか?》《シンデレラガールズの中でも特別な扱いになってるM@GIC☆に、タダ乗りして衣装もパクって自分達の周年を祝うにじさんじの連中、プライドないの?》などと、怒りを表明するファンが現れた。

特別な楽曲を“汚された”と感じるファンの気持ちは分からなくもないが、一方で第三者からは《何で怒られるのかわからないんだけど》《どこまで歪んで自己中で独占欲が強いんだよ》といった指摘も。それもそのはず、そもそも「アイマス」というコンテンツ自体、“カバー曲”の力を借りてきた側面があるからだ。

「アイマス」シリーズを盛り上げてきたカバー文化

その歴史は、初代「アイマス」の頃までさかのぼる。高槻やよいがゲーム『ことばのパズル もじぴったん』シリーズのテーマソング『ふたりのもじぴったん』をカバーしたことは、あまりにも有名だ。この名曲は『ニコニコ動画』を中心として話題を呼び、「アイマス」のMAD文化が定着するきっかけの1つとなった。

他にも「アイマス」シリーズでは多くのカバー曲がリリースされており、アニソンやJ-POPに演歌など、幅広いジャンルを網羅。また騒動の渦中にある「デレマス」に関しても、アプリ『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』にはさまざまなカバー曲が収録されている。

またあくまで非公式なものだが、「デレマス」が他のコンテンツに乗っかって盛り上がったことも。それは『COMPLEX』の楽曲『BE MY BABY』のMVに、キャラクターの顔を合成したコラ動画だ。ファンメイドで量産された動画は「ニコニコ」で一大ブームを呼び、300万回以上再生されている動画もあった。

このような過去を考えれば、VTuberが自分たちの領域に入ってきた途端に怒りをぶつけるのは、筋が通らないようにも見える。

しかも「デレマス」の十時愛梨役を演じる声優・原田ひとみは、「にじさんじ」のカバー曲をツイッター上で大絶賛。またアイマスファンによる炎上を知ってか、《愛梨も2曲ほど他作品の楽曲をカヴァーさせて頂いたのですが、本家の良さは当然として(だからカヴァーとなる訳で)、そことはまた別で、自分(キャラ)として曲としっかり向き合って歌ってます》とフォローしている。

ちなみに現在進行形で、にじさんじファンとアイマスファンの論争は続いている模様。どちらもオタク向けコンテンツという点では何ら変わらないが、なぜ不毛な争いが生まれるのだろうか…。

文=大上賢一

【画像】

master1305 / PIXTA