有名シナリオライター・麻枝准が手掛けるスマートフォン向けゲーム『ヘブンバーンズレッド』(ヘブバン)が、ついにリリースされた。麻枝ファンから高く評価される一方で、“だーまえ節”についていけないという声も上がっているようだ。
『Key』の伝説はこれから始まる
同ゲームは、『CLANNAD』や『リトルバスターズ!』でお馴染みの老舗ゲームブランド『Key』と、『Wright Flyer Studios』が開発したスマホRPG。そして麻枝にとって15年振りとなる完全新作ゲームであり、リリース前から大きな注目を集めていた。
『ヘブンバーンズレッド』正式リリースを開始しました。
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— ヘブンバーンズレッド@2月10日正式リリース開始 (@heavenburnsred) February 10, 2022
構想に約5年間かけた超大作ゲームとのことで、リリース後の評価は上々。『App Store』のレビューでは2月16日時点で、5点満点中「4.8」。そして『Google Play ストア』でも、5点満点中「4.4」という高いスコアを叩き出している。
ユーザーの声を見てみると、グラフィック・演出・キャラクターの魅力・放置ゲーとしての親切さなど、さまざまな要素が高い水準にまとまっている模様。とくに評価されているのが、麻枝が原案・メインシナリオを務めたストーリーで、《ヘブバン1章から良すぎて泣いた》《ヘブバンの第一章終わって号泣してる》《ストーリーが衝撃的すぎた》《やはりだーまえのストーリーは最高》といった声が上がっていた。
“だーまえ節”のギャグが時代遅れ?
しかし麻枝のストーリーは絶賛されているものの、いわゆる“だーまえ節”と呼ばれるギャグや台詞回しは、合わない人には合わないようだ。ネット上では《ヘブバンはだーまえ節に耐性があるかどうかでだいぶ変わる》《チュートリアル時点でキャラが濃すぎて胸焼けしそう》《いつものだーまえのノリなんだけど、これソシャゲで読むのはツラい》《普通に面白いけど、だーまえのノリが苦手なら合わない可能性はある》《基本的にギャグが寒い》といった辛辣な意見も見られる。
たしかに麻枝が関わってきたゲームは、以前から独特なノリのコメディーパートが描かれてきた。代表的なものとしては「CLANNAD」の「それと便座カバー」が印象的だが、「ヘブバン」ではそんな“だーまえ節”がプロローグから炸裂している。ギャルゲーが一般教養だったあの頃のオタクはまだしも、今の若いソシャゲユーザーには厳しいかもしれない。
とはいえ、そもそも麻枝はギャグに定評があったわけではなく、いわゆる“泣きゲー”で天下をとったシナリオライター。多少コメディパートで滑っていたとしても、作品全体として泣けるのであれば、問題ないだろう。
麻枝シナリオ特有のギャグは、「ヘブバン」の売れ行きにどんな影響をもたらすのだろうか。
文=大上賢一
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