2月14日発売の『週刊少年ジャンプ』11号から、落語家をテーマとした意欲作『あかね噺』が連載スタート。第1話から“壁”にぶつかる王道の展開だったものの、読者の中には苛立ちを隠せない人もいるようだ。
※『あかね噺』第1話の内容に触れています
第1話で描かれたのは、真打昇段の試験を控える落語家・阿良川志ん太のエピソード。志ん太は聴衆を噺の世界に引き込む類まれな演技力を持ちつつも、いざ客を前にすると、緊張から実力を発揮できずにいた。しかし妻と1人娘・朱音の応援を受け、一世一代の昇段試験に挑んでいく──。
【週刊少年ジャンプ新連載2連弾第1弾✨】
その身一つで芸を極めよーー
噺家たちが鎬を削る‼️
新連載『#あかね噺』公式PV‼響く出囃子、目指すは真打❗️
いざ、踏み出す落語の世界ーー詳しくは
本日発売の週刊少年ジャンプ11号で📚 pic.twitter.com/AFs1MYUubR— 少年ジャンプ編集部 (@jump_henshubu) February 14, 2022
少年・少女には親しみのない「落語」をテーマとしつつ、分かりやすくドラマチックな物語を展開。あえて主人公を志ん太ではなく、天性の才能を予感させる少女・朱音に据えているところも工夫が見られる。
読者からも《あかね噺おもしろすぎ、続きが楽しみ》《あかね噺、めちゃめちゃ面白いね》《これからどうなるのか楽しみ》と期待の声が上がっていた。
最近の読者はストレス耐性がない?
だが、その一方でラストシーンには不満の声も。志ん太が会心の落語を披露したにもかかわらず、大御所の落語家によって理不尽に破門される…といった展開なのだが、それを耐えられないという読者がいるようだ。
ネット上では《話の切り方が悪いな。理不尽さしか感じない》《1話だけだと気まぐれで理不尽に破門されたっていう救いのない話だからアンケートは入れない》《余所の弟子まで破門するのがまかり通ってるの意味不明すぎて無理》《あの爺さんの破門で物凄く嫌な気持ちになったわ》などと物申す人が現れていた。
あくまで漫画の中の展開なので、まるで現実の出来事のように批判すること自体が野暮なのだが、こうした風潮には昨今の読者たちの“ストレス耐性”が関わっているかもしれない。
物語の構造として、一時的に主人公が苦難に陥り、そこから這い上がっていく流れはきわめて古典的。しかし最近の漫画やアニメなどでは、一時的なものだったとしても、消費者がストレスのある展開を受け入れられないという説がある。
「あかね噺」についても、第2話以降でカタルシスを得られるのはほぼ確実。1話くらいは我慢してもいいのではないだろうか…。
文=野木
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