3月10日にリリースされた、スクウェア・エニックスの新作レースゲーム『チョコボGP』。これまで見たこともないような“未曽有のバグ”が連発されているようだ。購入者からは苦情が殺到し、公式の対応にも非難が寄せられている。
『チョコボGP』はルールがガバガバ?
「チョコボGP」は、ニンテンドースイッチ向けの新作タイトル。そのタイトル通り、『ファイナルファンタジー』シリーズに登場するマスコットキャラクター「チョコボ」がメインに据えられている。
1999年にプレイステーションで発売された『チョコボレーシング ~幻界へのロード~』以来、約20年ぶりとなる精神的続編。オンライン対戦も可能とあって、ファンの間でも注目を集めていた。
しかしそのオンライン対戦において、「フライングスタート」がまかり通るバグが発覚。どうやらオンライン対戦中の同期がうまくいっておらず、ロードが終わり次第スタート可能となるらしい。つまり、ロードの早いプレイヤーほど早くスタートできるという謎のアドバンテージが生まれてしまったようだ。
また、レースは基本的にトラックを3周するとゴールなのだが、稀に2周以下、時にはスタートラインを切っただけでゴールすることも。ひどいケースでは4周以上走らされた上でビリ認定されることもあるという。他にも、CPUの挙動やカメラ操作など、きりがないほどバグが報告されている。
レースゲームとしては最悪のバグだらけで、プレイヤーからも《チョコボGP想像以上のクソゲーでびっくりした》《これはあかん、レースゲームとして破綻してる…》《チョコボレーシングを汚されてしまったな》《無料版のチョコボGPをDLして20分で消した。これはクソゲーオブザイヤーにノミネート確実だな》と困惑の声が上がっていた。
詫び石配布でプレイヤーがブチ切れ!
度重なるバグの発生に、公式ツイッターが謝罪文と今後の対応を発表。また、お詫びとして全プレイヤーにゲーム内通貨「500ミスリル」を配布した。
現在起こっている不具合について及び今後のアップデートについて「チョコボグランプリからのお知らせ(3/11)」を取り急ぎ画像公開させていただきます。
引き続き、皆様からのご意見ご要望もお待ちしております。 pic.twitter.com/c9lfCdrbvg— チョコボGP公式 (@Chocobo_GP) March 11, 2022
“詫び石”配布といえば、ソーシャルゲームで不具合が発生した際のお詫びとして配られることでお馴染み。しかし『チョコボGP』は一応、フルプライスゲームの体裁をとっている。
そのため火に油を注いでしまったようで、《詫び石って…チョコボGPって買い切りじゃなくて課金ゲーだったんです?》《コンシューマ機で詫び石とか、廃れる未来しか見えないです》と怒り心頭になるプレイヤーたちも。
そもそも「チョコボGP」はフルプライスゲームでありながら、無料ソシャゲのように課金しないと解放できない要素が含まれていた。もともと不満の種があったところに、“詫び石”配布という燃料が追加されたことで、燃え盛ってしまったのだろう。
プレイヤーが望んでいるのは、詫び石ではなくバグの早期改善。地に堕ちたプレイヤーからの信頼を回復するには、慎重な対応が求められそうだ。
文=野木
【画像】
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