日車寛見が“枯れた向日葵”を持つワケとは…『呪術廻戦』19巻の表紙に込められた意味

『呪術廻戦』19巻に不満を抱く読者が続出…大荒れの原因は「死滅回游」?

『呪術廻戦』19巻(芥見下々/集英社)

劇場版アニメがロングランヒットを記録している、大人気作品『呪術廻戦』のコミックス19巻が、4月4日に発売された。収録されているのは「死滅回遊」編の東京コロニーの話で、表紙は前巻から登場した日車寛見が飾っている。表紙で日車は“枯れた向日葵”を持っているのだが、この構図には意味が込められているようだ。

日車と向日葵の関係性

日車は「死滅回遊」の泳者(プレイヤー)で、東京第1コロニーで活動。もともとは弁護士で、T大法学部受験、法科大学院導入前の旧司法試験など、あらゆる難関試験をストレートで通過してきた「天才」と紹介されている。

羂索の「無為転変」によって術式が覚醒し、他の泳者を返り討ちにする中で102ポイントを獲得した高得点保持者の1人で、12日間で領域展開を使いこなすなど、まさに天才といえる泳者だ。

泳者になる前は強い正義感を持ち、弁護士の鑑とも言える人物だった。しかし、とある強盗殺人事件の容疑者・大江圭太の弁護を担当した際、一審で無罪を勝ち取ったにもかかわらず、控訴審で大江の無期懲役が確定してしまう。

この“有罪ありき”の判決に日車は怒りや黒い感情が爆発し、術式を覚醒させて裁判官と検事を殺害するのだった…。

日車寛見が“枯れた”向日葵を持つ意味

話を戻すと、「呪術」19巻の表紙で、日車は“枯れた向日葵”を持っている。この向日葵には、さまざまな意味が込められているようだ。

まず、向日葵が弁護士バッジのモチーフであることが挙げられるだろう。弁護士バッジの中央は、公正と平等を象徴する「はかり」が描かれており、外側は正義と自由を象徴する向日葵がモチーフになっている。

そもそも“日車”は向日葵の別名で、スマホで“ひぐるま”と入力すると“向日葵”という漢字に変換可能だ。また、花言葉は「憧れ」、「情熱」、さらに「あなただけを見つめる」。表紙の日車は真っすぐこちらを見ており、作中で弁護を担当した容疑者たちから、日車がさまざまな目線を向けられてきたのも印象的だ。

向日葵はキャラクターとしての日車と重なる部分が多く、日車自身と言えるだろう。そんな向日葵は太陽がある方向を向いて咲く花。その向日葵が枯れているということは…。

虎杖との対戦後、日車は「結界が開けたら自首でもするかな」と宣言していた。渋谷事変の大量殺人を自らの罪だとまっすぐな目線で認めた虎杖に、日車は「初心に還った」「君といると益々自分が嫌いになりそうだ」とも話している。

虎杖は共闘を持ち掛けていたが、日車に断っていた。しかし、虎杖に向けて「またな」という言葉を投げかけている。枯れた向日葵が、もう一回キレイに咲くことを願いたい。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ