ヤマトの描き方が絶妙すぎる?『ONE PIECE』1050話で“一味加入”論争が再燃

ヤマトの描き方が絶妙すぎる?『ONE PIECE』1050話で“一味加入”論争が再燃

『ONE PIECE』102巻(尾田栄一郎/集英社)

「麦わらの一味」に加わる仲間をめぐって、日夜議論が盛り上がっている漫画『ONE PIECE』。5月30日発売の『週刊少年ジャンプ』26号に掲載された最新話では、ヤマトが異様なほどの存在感を示しており、仲間入りを確信する読者が相次いでいる。

※『ワンピース』最新話の内容に触れています

第1050話『誉れ』では、長きにわたる戦いの末、ルフィがカイドウに勝利したことが確定。そこで注目を集めたのが、ヤマトの言動だった。

冒頭のシーンではルフィが力を使い果たし、空から墜落してくるのだが、すかさず駆けつけてきたヤマトがキャッチ。やすらかなルフィの寝顔を見つめると、「ふふ」と嬉しそうに微笑んでみせる。

その後、カイドウの敗北を受け入れられない「百獣海賊団」の残党が暴れようとするシーンでも、ヤマトが活躍。残党たちを大声で制止すると、墜落する鬼ヶ島を受けたのは「ウチの大将」だとアピールして、ルフィやモモの助たちの身内であるかのように振る舞った。

ヤマトはカイドウの実子であり、「百獣海賊団」とも縁が深いはずだが、もはやルフィと一蓮托生といった雰囲気。一連の言動を受けて、ネット上では《ヤマトが仲間にならなかった場合のONE PIECEの損失すぎるだろ》《ワンピ読むためだけにジャンプ買ってるけど、これでヤマト仲間にならなかったらジャンプ買うのやめる》《この「ふふ」でヤマト仲間にならなかったら読者全員この先一生「ふふ」れないよ。尾田っちはそこを理解してほしい》といった声が上がっている。

ヤマトの仲間入りには懸念点も

これまでも、ファンの間では折に触れてヤマトの仲間入り説が囁かれていた。昨年発売された『一番くじ ワンピース vol.100 Anniversary』で、「麦わらの一味」に混ざってフィギュア化されていたことや、声優・早見沙織のキャスティングが大々的に発表されたことなどが、その根拠となっている。

そんな中、今回のエピソードにより、さらにヤマトの仲間入りに期待が高まっているようだ。しかし気になるのは、ヤマトがルフィ以外の「麦わらの一味」メンバーとほとんど絡みがないこと。これまでの味方は多少なりとも他メンバーと絡んだ上で、自然に仲間入りする流れが多かった印象だ。最初から加入させるつもりだったとすれば、こうした描き方は不自然。そうなると、ほかの仲間候補として浮上しているモモの助か、錦えもんの方が有力かもしれない。

ヤマトは加入しないと考える読者からは、《ヤマト仲間にならずに、ギフターズらと海に出そう。ギフターズをワノ国に残しとく訳にも行かなそうだし》《ヤマト仲間になって欲しいが、ルフィの仲間にエースの友人がいるってのが違和感あるんだよなぁ》《外見の人気だけでキャラの背景まだ薄いし、一味には馴染めなさそう》《メタ的なことを考えれば、あの世界の秘密の大部分を知ってるわけだし、それにルフィ以外ヤマトが一方的に知ってるだけでほとんど面識ない》といった意見が散見される。

今後もヤマトはワノ国に残り、カイドウとの件にケリをつけようとする可能性もある。カイドウの後に「百獣海賊団」を率いて、「麦わらの一味」には加入せず、傘下としてルフィたちを支える可能性もあるだろう。

また、ヤマトの能力ある「イヌイヌの実」幻獣種モデル“大口真神”は、ワノ国において「守り神」として崇められている存在。光月おでんに憧れて海へ出ることを夢見ているヤマトだが、ワノ国から守り神がいなくなることを考えると、少し切ない気持ちにもなる。

ヤマトが仲間になるのか、ならないのか…。ここまで絶妙な描写が多かったため、読者も翻弄されているのだろう。作者・尾田栄一郎の“引っ張る力”には関心させられるばかりだ。

文=Tら
写真=まいじつエンタ