『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎には、ちょっとした不穏なジンクスがあるという。コミックスの帯にコメントを寄稿すると、その漫画が不発で終わりがちなのだ。『週刊少年ジャンプ』の新作にも、そのジンクスが発動するかもしれない。
大御所のメッセージにファンの反応は
尾田が帯コメントを寄稿したのは、原作:末永裕樹、作画:馬上鷹将による落語漫画『あかね噺』。2月14日発売の「ジャンプ」11号でスタートした期待作で、女子高生落語家をメインに据えたユニークな作品となっている。
6月3日にはそんな同作の第1巻が発売されたのだが、尾田が帯に推薦コメントを寄稿。その内容は、「ハイ好き! 頑張れあかね!」と、主人公のあかねにエールを贈るものだった。尾田は落語好きとしても知られているので、琴線に触れるものがあったのかもしれない。
6月3日(金)発売の #あかね噺 コミックス1巻に、#ONEPIECE の尾田栄一郎先生より推薦コメントを頂きました!大感激です…!
更に6月4日公開のボイスコミックでは、ウソップ役でおなじみの山口勝平さんと山口茜さんの親娘キャストが志ん太と朱音として出演!声のパワーに感涙…
今週末をお楽しみに! pic.twitter.com/vcWCLK9rwT
— 『あかね噺』公式アカウント (@akanebanashi_PR) May 30, 2022
「ジャンプ」大御所からの太鼓判に、「あかね噺」のファンからは、《1巻から尾田先生の帯コメントがあるのは凄すぎるやろ!》《やはり尾田っちも好きだったか! なんか嬉しいなー》《一巻の帯コメを尾田先生に貰えるの最高だなあ》と喜びの声が上がっている。
帯コメントは“不調”のフラグ?
その一方で、尾田が帯コメントを寄稿した作品は“売れない”という不吉なジンクスもあるようだ。
たとえば尾田は以前、『月刊コミックゼノン』の女子格闘技をテーマにした漫画『ハナカク』の3巻に帯文を寄せている。しかし同作は15巻まで連載が続いた後、打ち切り終了へ。しかもコミックスは絶版となり、現在は作者・松井勝法によって著作権フリー化が行われている。
また、『ジャンプ+』のコスプレ漫画『2.5次元の誘惑』8巻にも帯コメントを寄稿したが、こちらも現状は人気が爆発していない。むしろ、同じくコスプレ漫画でアニメ化もされた『その着せ替え人形は恋をする』にお株を取られ、影が一層薄くなった印象だ。
さらには、軌道に乗っている漫画でもジンクスが発動する可能性が。大ヒット作『約束のネバーランド』の4巻が発売された際、「ここからが面白いんだよーっ!!!」というコメントを送ったが、何の因果か、そのあたりから勢いが衰えていく一方だった。
今のところ「あかね噺」は本誌で定期的にカラーページをもらっており、掲載順も高い位置につけることが多い。はたして迷信を打ち破れるのだろうか…。
文=野木
【画像】
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