人気VTuberグループ『にじさんじ』でお馴染みの『ANYCOLOR株式会社』が、バーチャルライバー育成プロジェクト『バーチャル・タレント・アカデミー』(VTA)の2期生を本格的に始動。しかし計17名という人数に、《いくらなんでも多すぎる》といった声が相次いでいる。
2期生のモブキャラ化に懸念の声
「VTA」は、VTuber運営のノウハウを活かして、次世代のタレントを養成するプロジェクト。実際に今年3月には、「VTA」に所属していた海妹四葉、天ヶ瀬むゆ、先斗寧の3名が、「にじさんじ」の正式なメンバーとしてデビューしている。
そんな未来の「にじさんじ」ライバーの卵として、今回新たに17名のVTuberが活動を開始。YouTube上の「VTA」公式チャンネルにて、順次初配信を行っていった。
【🏫アカデミー2期生によるYouTube配信開始!】
明日から2期生17名によるリレー配信を開始します!
・毎週水曜、木曜、金曜に配信
・1配信30分ぜひ顔と名前を覚えてください!
画像を要チェック👀✨▽チャンネル登録もお願いします!https://t.co/BiXkCJrCVH#VTA応援中 pic.twitter.com/52kGl3xWB0
— バーチャル・タレント・アカデミー🏫毎週水木金YouTube配信 (@VTA_ANYCOLOR) June 21, 2022
ただ、17名が一気に発表され、同時期に配信を行っていくため、才能が埋もれてしまうことを心配する人は少なくない。また、「VTA」所属の間は全員のビジュアルが同じ制服に統一されるため、“モブキャラ”っぽく見えるという声も。
ネット上では、《もうこれ追いたくても追えないでしょ》《流石に雑では?》《数撃ちゃ当たるのモブ量産で草》《数出せばいいってもんじゃねえだろ》《印象に残る見た目じゃないな》と厳しい指摘が上がっている。
そもそも「にじさんじ」は以前から大所帯として知られており、海外向けグループも含めれば現時点でおよそ160名が在籍している。ただでさえ人数が多い上、一気に「VTA」の受講生が増えたとなれば、“箱推し”のファンですら全員はチェックしきれないだろう。
VTuberと研修生システムが相性最悪?
また「VTA」自体が、ファンを増やすために正常に機能しているのかどうかも大きな問題。おそらく『モーニング娘。』や『AKB48』のような、研修生が夢を叶えるまでの“ストーリー”を商品にしたかったのかもしれないが、デビュー前に配信を行うことで《初配信のワクワク感が消費されてしまう》とも指摘されている。
これは同界隈ならではの現象だが、VTuberはデビュー直後が“全盛期”となることが多い。事務所のブランド力などによって、注目度が高くなるためだが、初期の数字を維持できる者はきわめて稀だ。
そう考えると、今後を左右する大事な初配信を、「VTA」の1人として行ってしまうのは、かなりリスキーではある。実際に海妹四葉、天ヶ瀬むゆ、先斗寧の3名も、人気が伸びているかどうかと言われると微妙なところ。結局バズったのが「VTA」出身ではない壱百満天原サロメだったことを考えると、なおさら…。
ただ大手事務所のVTuberは、なにかと失言などで炎上することが多いため、その意味では「VTA」で配信の基礎を教えるのも悪くないのかもしれない。「VTA」の2期生が、“モブキャラ”として埋もれないことを祈るばかりだ。
文=大上賢一
【画像】
Khosro / PIXTA