『SLAM DUNK』新作映画は爆死確定? 特報映像解禁に落胆「なんでCGなんだよ…」

『SLAM DUNK』新作映画は爆死確定? 特報映像解禁に落胆「なんでCGなんだよ…」

『SLAM DUNK』新装再編版 1巻(井上雄彦/集英社)

今年12月に公開を控えている、バスケ漫画の金字塔を原作としたアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』。先日、その特報映像が公開されたのだが、ファンからは意外なことに「期待外れ」との声が上がっている。とくに懸念されているのは、“フルCG”という要素だ。

特報映像を見たファンたちの声

今回公開された特報映像は、20秒ほどの短いもの。桜木花道や流川楓といったお馴染みのキャラクターが次々と映し出されていく、スタイリッシュな出来となっている。

しかしよく見ると、キャラクターたちの描写は手書きアニメではなくオール3DCG。作品の全貌は不明ではあるが、少なくとも特報映像に出てきたシーンはいかにもCGらしい動きで、手書きアニメのような迫力には欠けていた印象だ。

そのため原作漫画のファンからは、《スラムダンクの映画がCGらしいので絶望してる。アニメーションがよかった》《CGだったのがショックすぎる…》《普通に作画が凄いアニメ映画にするだけで今年の覇権映画になるのに、なんでCGなんだよ…》《スラムダンクがCGなの、今年1番腹立ってる》《CGかよ…公開当日は避けよ》と、はやくも失望の声が上がり始めている。

「SLAM DUNK」の過去作といえば、1993年~1996年にかけて放送されたTVアニメ版は、当然“手書き”だった。また、その後には資生堂とのコラボレーション企画で、アニメCMが制作されたことは有名。鉛筆のタッチを残した手描き作画が採用され、荒々しくも躍動感あふれる表現だったため、「原作の迫力そのもの」と評判を呼んでいた。

これまでに手書きアニメのよさを見せつけられているからこそ、映画版でCGに方針展開することには、不安の声が上がってしまうのだろう。

スポーツアニメに必要なものは?

もちろん『ドラゴンボール』シリーズの劇場版など、CGを取り入れて成功しているアニメも多い。しかし「SLAM DUNK」のようなスポーツ漫画の場合には、事情が大きく異なってくるという。

というのもCGはリアルな動きをトレースすることに長けているが、スポーツ漫画のアニメ化では「いかに嘘をついて格好よくキャラを描写できるか」が重要となる。昨年公開された劇場アニメ『リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』は、フル3DCGで作成されたものの、アニメファンからは賛否が分かれる評価だった。

しかい希望がないわけではない。「THE FIRST SLAM DUNK」の監督、脚本は作者である井上雄彦が担当しているため、原作のイメージからかけ離れたものが作られることはまずないだろう。

また3Dアニメは日本ではまだまだ未開拓なジャンルということもあり、しっかりと良作を作れば、正しく評価される市場ではある。「諦めたらそこで試合終了」なのはバスケも映画も同じ。魂を込めた作り込みによって、奇跡の大逆転劇を演出してほしい。

文=富岳良
写真=まいじつエンタ
■『SLAM DUNK』新装再編版 1巻(井上雄彦/集英社)