新アニメ『異世界薬局』に思わぬ落とし穴? 作者の「だいしゅきホールド」黒歴史が再燃

新アニメ『異世界薬局』に思わぬ落とし穴? 作者の「だいしゅきホールド」黒歴史が再燃

新アニメ『異世界薬局』に思わぬ落とし穴? 作者の「だいしゅきホールド」黒歴史が再燃 (C)PIXTA

なろう発のライトノベル『異世界薬局』がアニメ化され、7月10日から放送がスタート。しかしそれがきっかけで、原作者・高山理図の“黒歴史”が掘り起こされてしまい、作品のイメージにも影響が出てしまっているようだ。

「だいしゅきホールド」起源主張を擁護

『異世界薬局』原作者の黒歴史とは、2020年に勃発した「だいしゅきホールド」というワードの起源に関する論争のこと。きっかけとなったのは、同じくライトノベル作家である三国陣のツイートだった。

まず、三国がツイッター上で、「だいしゅきホールド」の起源を主張。すると高山が、このワードの初出とされる「2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)」の書き込みを引用し、《この人ということで間違いないですか?》と確認した。それに対して三国が肯定ととれるツイートを返したことで、2人は大盛り上がり。

しかし、そこで別のツイッターユーザーが、例の書き込みを行ったのは自分だと主張。ここでまずかったのは、2人がかりでその人物を“詰問”してしまったことだ。高山は三国サイドに肩入れし、横から《何か証拠とか持ってるんです?》というリプライを送っていた。

ところが別のツイッターユーザーによる検証などにより、三国の起源主張こそが誤りだったのではないか…という説が有力に。論争のきっかけとなった三国は、こうした展開について自ら謝罪。一旦は鎮火したと思われていたが、それから2年後に思わぬ形で再燃することに…。

巻き添えを食らうアニメスタッフ

今期、「異世界薬局」がアニメ化したことで、「だいしゅきホールド」論争を思い出す人が続出。SNSなどでは、《だいしゅき薬局こと異世界薬局のアニメが始まったのか》《だいしゅきホールド起源論争が脳裏ちらついてしまうんだよな》《異世界薬局という名を聞くとだいしゅきホールドしか思い浮かばない》といった反応が相次いでいた。

中には、《今期は、某だいしゅきの件で、異世界薬局は0話切りですね》《だいしゅきホールド思い出して見る気失せるのよなぁ》と、視聴の妨げになる人もいたようだ。

高山はあくまで論争の当事者ではなく、正義感から三国を擁護するために動いていた印象。友人の言葉をそれだけ信じていたのだろうが、根拠なく“もう1人の起源主張者”に圧をかけてしまったことが歯車を狂わせた。

当時、ソースのない情報を拡散したことを謝罪し、深く反省していたので、今さら事件を掘り返されることが不憫でならない。とはいえ、もっと不憫なのは、何の関係もなく作品にネガティブなイメージを付けられたアニメスタッフだろう…。

「だいしゅきホールド」というパワーワードが招いた、あまりに悲劇的な一連の騒動。「異世界薬局」自体に罪はないので、ヒットを飛ばしてほしいところだ。

文=大上賢一

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Kostiantyn Postumitenko / PIXTA