『週刊少年ジャンプ』では、連載の存続が読者アンケートで左右され、人気が低いほど掲載順が低くなるといわれている。7月25日発売の『週刊少年ジャンプ』34号では、そんな“打ち切りレース”の現状がまざまざと表れていた。
猛スピードで畳まれるストーリー
現在の連載陣で苦境に立たされているのは、大須賀玄の妖怪バトル漫画『ドロンドロロン』と、神海英雄のSF漫画『地球の子』。「ドロンドロロン」は昨年11月、「地球の子」は今年2月から始まった新連載だが、今号の「ジャンプ」では掲載順ワースト2に収まっていた。
読み切りを除けば、「ドロンドロロン」と「地球の子」が巻末に並ぶのはこれで4回目。ファンたちは人気復活を切望しているのだが、掲載順が浮上する気配はないため、ネット上では《今期はドロンドロロンと地球の子が打ち切り決定済だろうな》《地球の子とドロンドロロンは、ほぼ確実に次の改編期で消えちゃう》《もうドベブラザーズは打ち切り終了しかない》などと予想されている。
また作家的にも打ち切りを見据えているのか、どちらの作品も最後の戦いを予感させるような展開に。「ドロンドロロン」では、敵の四天王格が一斉に登場し、足早にストーリーが進行中。「地球の子」は作中で6年の時間が経過し、黒幕が姿を現す急展開を迎えていた。
打ち切り候補が次々と…
もはや不動のポジションにも見えるが、実は不調なのは2作品だけではなく、直近の新連載も明暗が大きく別れている。
大好評なのは、女子高生が主役の『ルリドラゴン』と『あかね噺』。どちらも2022年に入って始まった作品だが、開始早々にファンを急速に増やし、飛びぬけた人気を獲得している。しかし、それ以外の新連載は五十歩百歩といったところだ。
とくに6月に始まったばかりの『ALIENS AREA』には、打ち切りの予感を感じ取る読者が多い。早くも《次期はエイリアンズエリア本命か?》《今のところ打ち切りの匂いしかしない》といった声があり、不穏な空気が漂っている。
また新連載ではないが、ピアノ漫画『PPPPPP』も掲載順が徐々に不安定になりつつある模様。ワースト5に割って入ることも度々あり、29号ではブービーだった。
話題性に欠ける連載陣が、どんぐりの背比べを続けている今の紙面。もちろん途中から覚醒したようにブレイクする作品もあるので、もしお気に入りの作品があるなら、諦めずに応援を続けよう。
文=野木
【画像】
korobova / PIXTA