『アイマス』待望のサブスク解禁も…プロデューサーたちが疑心暗鬼だったワケ

『アイマス』待望のサブスク解禁も…プロデューサーたちが疑心暗鬼だったワケ

『アイマス』待望のサブスク解禁も…プロデューサーたちが疑心暗鬼だったワケ (C)PIXTA

これまでCD商法を続けてきた『アイドルマスター』シリーズが、ついにサブスクリプション型のストリーミングサービスを解禁。ファンにとっては歴史的な出来事だが、あまりにコンテンツから裏切られ続けてきたためか、半信半疑になってしまう人もいたようだ。

サブスク解禁を信じられない人々

今回「アイドルマスター」シリーズを手掛けてきた『株式会社バンダイナムコエンターテインメント』は、アイドルたちの活動の可能性を広げる『“MR”-MORE RE@LITY-プロジェクト』を始動。その一環として、音楽ストリーミングサービスでの楽曲展開を発表した。

これまで1,000曲を超える名曲を世に送り出してきた「アイドルマスター」シリーズだが、サブスクリプションでの楽曲提供は未解禁。とうとうサブスク時代の波に乗ったことで、SNSなどでは《アイマスサブスク解禁、令和で最も偉大なニュース》《なんか時代が動いたって感じある》《サブスク解禁でワクワクが止まらない》といった声が上がっている。

しかしその一方で、とくに目についたのは“独自プラットフォーム”での配信を危惧する声。「サブスク解禁」といっても大手プラットフォームでの解禁ではなく、独自プラットフォームで閉鎖的に展開するのではないか…と疑われてしまったようだ。

サブスク解禁の発表後、SNS上では《アイマスサブスク解禁か、独自アプリはやめてくれよな》《アイマスmusicみたいな名前のアイマス曲しか存在しない独自アプリでサブスク解禁して全員ズッコケる》《アイマス独自のサブスク来たらあほすぎて笑うわ》などと心配されていた。

「アイマス」シリーズへの厚い信頼

そんなファンたちの心配は、制作スタッフの側にもしっかり伝わっていたようだ。7月26日に行われた「アイドルマスター」17周年の生配信では、総合プロデューサーの坂上陽三氏がサブスク解禁について言及。「各プラットフォームサービスで配信予定です」ときっぱり断言してみせた。どうやら独自プラットフォームでのサブスク解禁説は、完全にファンの杞憂だったらしい。

とはいえ、ここまでファンに疑われてしまうのは、悪い意味でのアイマスの“歴史”を実感せざるを得ない。これまで『ラブライブ!』シリーズといったアイドル系キャラクタープロジェクトがこぞってサブスクを解禁してきたが、そんな中でもアイマスは一貫してCD商法に依存。

さらにはサブスク解禁が望まれる中、CDをスマートフォンに取り込めるレコーダーの『アイドルマスター シンデレラガールズ』モデルを販売し、《違う、そうじゃない》などと突っ込まれていた。

その他、CDとはあまり関係ないが、やはり「アイマス」シリーズといえば、“バンナム商法”などのイメージが根強い。楽曲のサブスク解禁を機に、ファンからの信頼を取り戻せるようなコンテンツになればいいのだが…。

文=大上賢一

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Koldunova / PIXTA