破天荒な内容によって、人気絶好調となっている特撮作品『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(テレビ朝日系)。12月4日放送の第39話では、もはやヒーローもののセオリーを覆すような展開が飛び出してしまい、「実質ボーボボ」と囁かれている。
超強敵に超トンデモな対抗策
同作は、誰もがよく知る「桃太郎」をモチーフとした作品。5人組の戦隊もので、人間の欲望から生まれるモンスター「ヒトツ鬼」や、謎の組織「脳人」との戦いが描かれている。
第39話では「ドンブラ」メンバーが拠点を掃除している際に、アンドロイド『ドン・キラー』を迂闊にも起動。自分たちを抹殺することを任務とした超強敵に、まったく歯が立たず、大苦戦を強いられてしまう。
しかし、どうやって倒すのかと視聴者が手に汗握ったところで、「ドン・キラー」に対抗するための存在『ドン・キラー・キラー』が突如登場。最終的にメンバーは戦いの外に放り出され、アンドロイド同士で永遠に戦い合うラストを迎えるのだった…。
🍑ドン!次のおはなし🍑
次回はドン39話!
「たなからボタンぽち」【#ドンブラザーズ 終了のおしらせ】
対暴太郎戦隊用決戦兵器。
タロウにそっくり!
ドン・キラーが発動DON〜!?その時であった。
DONが発動したのは。さらばDON…!#暴太郎戦隊ドンブラザーズ!!https://t.co/rLdAaIy7pP pic.twitter.com/VBl3yeSD1R
— 暴太郎戦隊ドンブラザーズ (@Donbro_toei) November 27, 2022
この唐突で強引なオチに視聴者の間では《B級映画の打ち切りエンドみたい》《もはや何が何だかわからない…》《いよいよ意味わからなくなってきたな》といったツッコミの声が。
さらには名作の不条理ギャグバトル漫画『ボボボーボ・ボーボボ』を連想する視聴者も続出し、《戦隊モノの殻を被った実写版ボーボボなのでは?》《ドンブラザーズの狂気のスピード感がボーボボ》《この展開の速さ、ボーボボにも引けを取らないかもしれない》とまで言われている。
起死回生を狙ってボーボボ化?
ヒーローものとしてどうなのかはともかく、破天荒なギャグによって「ドンブラザーズ」が大いに話題を呼んでいることはたしか。
だがなぜ同作は、ここまで正統派とは逆の路線に突っ走ろうとしているのか。その要因の1つは、スーパー戦隊シリーズの売上不振にありそうだ。
2011年放送『海賊戦隊ゴーカイジャー』のシリーズ売上高は、歴代最高の130億円を突破。しかしそれ以降のシリーズでは、数字は減少する一方だという。
2020年に放送された『魔進戦隊キラメイジャー』では売上が50億円台まで落ち込み、一時はシリーズ打ち切りが心配されたほどだ。
なお「魔進戦隊キラメイジャー」は決して駄作ではなく、正統派かつ良作だった。それにもかかわらず、数字が揮わなかったのだ。
そのためか、続く作品の『機界戦隊ゼンカイジャー』からギャグのノリが増え始め、「ドンブラザーズ」にいたってはほぼギャグに振り切っている。
ベテランのメインライター・井上敏樹のおかげもあってか、同作の人気は高まるばかり。
あえて正統派の逆を行くという路線は、スーパー戦隊シリーズを救えるのだろうか。異端すぎるヒーローたちに今後も目が離せない。
文=ゴタシノブ
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