「実写版ボーボボなのでは?」戦隊シリーズ『ドンブラザーズ』のカオス展開にツッコミ殺到

「実写版ボーボボなのでは?」戦隊シリーズ『ドンブラザーズ』のカオス展開にツッコミ殺到

「実写版ボーボボなのでは?」戦隊シリーズ『ドンブラザーズ』のカオス展開にツッコミ殺到 (C)PIXTA

破天荒な内容によって、人気絶好調となっている特撮作品『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(テレビ朝日系)。12月4日放送の第39話では、もはやヒーローもののセオリーを覆すような展開が飛び出してしまい、「実質ボーボボ」と囁かれている。

超強敵に超トンデモな対抗策

同作は、誰もがよく知る「桃太郎」をモチーフとした作品。5人組の戦隊もので、人間の欲望から生まれるモンスター「ヒトツ鬼」や、謎の組織「脳人」との戦いが描かれている。

第39話では「ドンブラ」メンバーが拠点を掃除している際に、アンドロイド『ドン・キラー』を迂闊にも起動。自分たちを抹殺することを任務とした超強敵に、まったく歯が立たず、大苦戦を強いられてしまう。

しかし、どうやって倒すのかと視聴者が手に汗握ったところで、「ドン・キラー」に対抗するための存在『ドン・キラー・キラー』が突如登場。最終的にメンバーは戦いの外に放り出され、アンドロイド同士で永遠に戦い合うラストを迎えるのだった…。

この唐突で強引なオチに視聴者の間では《B級映画の打ち切りエンドみたい》《もはや何が何だかわからない…》《いよいよ意味わからなくなってきたな》といったツッコミの声が。

さらには名作の不条理ギャグバトル漫画『ボボボーボ・ボーボボ』を連想する視聴者も続出し、《戦隊モノの殻を被った実写版ボーボボなのでは?》《ドンブラザーズの狂気のスピード感がボーボボ》《この展開の速さ、ボーボボにも引けを取らないかもしれない》とまで言われている。

起死回生を狙ってボーボボ化?

ヒーローものとしてどうなのかはともかく、破天荒なギャグによって「ドンブラザーズ」が大いに話題を呼んでいることはたしか。

だがなぜ同作は、ここまで正統派とは逆の路線に突っ走ろうとしているのか。その要因の1つは、スーパー戦隊シリーズの売上不振にありそうだ。

2011年放送『海賊戦隊ゴーカイジャー』のシリーズ売上高は、歴代最高の130億円を突破。しかしそれ以降のシリーズでは、数字は減少する一方だという。

2020年に放送された『魔進戦隊キラメイジャー』では売上が50億円台まで落ち込み、一時はシリーズ打ち切りが心配されたほどだ。

なお「魔進戦隊キラメイジャー」は決して駄作ではなく、正統派かつ良作だった。それにもかかわらず、数字が揮わなかったのだ。

そのためか、続く作品の『機界戦隊ゼンカイジャー』からギャグのノリが増え始め、「ドンブラザーズ」にいたってはほぼギャグに振り切っている。

ベテランのメインライター・井上敏樹のおかげもあってか、同作の人気は高まるばかり。

あえて正統派の逆を行くという路線は、スーパー戦隊シリーズを救えるのだろうか。異端すぎるヒーローたちに今後も目が離せない。

文=ゴタシノブ

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