『名探偵コナン』かわいそうな被害者ランキング! 勘違いで転落死した被害者も…

『名探偵コナン』かわいそうな被害者ランキング! 勘違いで転落死した被害者も…

『名探偵コナン』102巻(青山剛昌/小学館)

『名探偵コナン』の主人公・江戸川コナンの行く先々では、必ずと言っていいほど殺人事件が起こる。当然その数だけ被害者も存在するのだが、中には「こんなことで殺されるなんて…」と同情を禁じ得ないケースも。今回は、そんなかわいそうな被害者たちにスポットを当ててみよう。

犯人の思い込みから生まれた悲劇

<3位>水無月千秋
水無月千秋は、単行本83巻に収録されているエピソード『意外な結果の恋愛小説』の被害者。助手を務めていた恋愛小説家・火浦京伍の手により、葬られてしまった。

火浦が罪を犯したのは、水無月が自分の人生をめちゃくちゃにしようとしている…と考えたから。

彼は水無月のファンレターに同封されていた物語をアレンジし、タイトルも構成も水無月がほとんど考えた小説『電話と海と私』を執筆していたが、それをネタに家族も地位も名誉も金も奪われる…と思い込んだという。

だが、全ては彼の“勘違い”にすぎなかった。水無月は火浦を陥れるどころか、子どもの頃から彼を慕っており、小説の元ネタとなったファンレターも水無月が小学生の頃に送ったもの。

さらに新作のタイトルにも仕掛けがあり、「TEL(電話) SEA(海) I(私)」と英語に変換させ、下から順番に読むと「I(アイ) SEA(シ) TEL(テル)」に。この要領でファンレターのペンネームを読み解くと、水無月にたどり着く仕掛けだったのだ。

水無月にとってはちょっとしたサプライズのつもりだったのだろうが、これが火浦に猜疑心を抱かせる結果となる。

彼女もまさか殺されるとは思ってもみなかっただろう。

犯人の殺意をわかったうえで…

<2位>古城郡平
勘違いから殺されてしまう人もいれば、犯人の殺意をわかったうえで運命を受け入れてしまう人も…。

単行本62巻・63巻収録のエピソード『本当に聞きたいコト』の被害者・古城郡平は、自分を殺すために仕掛けられたトリックに気づきながらも、自ら死を選んでしまう。

トリックを仕掛けたのは、彼の元恋人・溝端理子。じつは古城は元走り屋のリーダーで、彼がけしかけた“雨の日のバトル”によって人が亡くなったことがある。

その恨みから、今回の事件は起きてしまったのだ。

ただ、彼は事故の一件をまったく反省していなかったわけではない。

むしろひどく後悔しており、その日を境に走り屋も辞めている。トリックに気づいていながらそれを甘んじて受け入れたのも、彼なりの“償い”だったのだろう。

しかし古城が死んだことで、溝端は結果的に犯罪者となってしまった。

作中で工藤新一が言っていた通り、彼は絶対に選んではいけない答えを選択してしまったのかもしれない。

犯人の意図してないところで事故死!?

<1位>荻原糸江
最後にご紹介するのは、アニメオリジナルエピソード『旅芝居一座殺人事件』の被害者・荻原糸江。

彼女は犯人の意図や殺意と何の関係なく、運悪く犯人の罠にかかって転落死してしまった。

発端となったのは、「I to E」と宛名が書かれた呼出状。「I to E」とは「伊太郎(E)から江戸小僧(E)へ」を意味するもので、伊太郎とは一座の座長・伊東玉之助のこと。江戸小僧は、一座に紛れ込んだ広域指定の強盗のことである。

玉之助は一座の誰かが江戸小僧だと確信していたが、誰かまではわからなかった。

そこで彼は一座全員に呼出状を送ったのだが、荻原はこれを「イトエ」と勘違い。

自分宛だと思い込み、指定された場所へ向かった結果、犯人が仕掛けた落とし穴にはまってしまったのだ。

彼女自身も一座の金を横領するような悪人だったとはいえ、何とも不幸な事件である。

コナンたち主要キャラのみならず、被害者側のドラマも奥が深い「名探偵コナン」。そこもまた、物語を面白くする要因の一つとなっているのだろう。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ