映画『刀剣乱舞』は時代にそぐわない? 昭和的な価値観に女性ファンから疑問の声

映画『刀剣乱舞』は時代にそぐわない? 昭和的な価値観に女性ファンから疑問の声

映画『刀剣乱舞』は時代にそぐわない? 昭和的な価値観に女性ファンから疑問の声 (C)PIXTA

3月31日の公開に先駆けて、『映画刀剣乱舞-黎明-』の予告映像やキャラクタービジュアルなどが解禁された。女性を中心に人気を博すコンテンツだが、これを見た一部ファンの間で「価値観が古すぎる」として批判の声が巻き起こっている。

映画版の設定に荒れるファンコミュニティ

同作は、人気ゲーム『刀剣乱舞ONLINE』を原作とした実写映画の第2弾。1作目となる『映画刀剣乱舞-継承-』は2019年に公開され、興行収入9.4億円のヒット作となった。

満を持して制作された最新作は、2012年の東京を舞台として話を展開。現代日本に出現した“時間遡行軍”を倒すべく、時の政府から遣わされた刀剣男士・山姥切長義が特命任務の開始を告げる…というあらすじだ。

新たに公開された予告映像では、華麗な剣劇を繰り広げる刀剣男士たちが捉えられており、 “仮の主”となる女子高校生・琴音(ことね)の姿も。今まで見たことのない映像に、ファンたちが盛り上がっている。

ところがそんな空気の一方で、同作の設定などをめぐって、《女は若い女だけだし、女はファーストネーム男は苗字だし モヤモヤする》《女審神者が「女の表徴が女子高生と女子大生」って価値観は化石》《まさに男が考えた男のための老若男女像》《脚本家は若い女しか書けないの?》《古くせえ女性表徴の価値観を出されたらそら刀剣乱舞くん批判されるよ》《刀剣乱舞くんのことが好きだが保守的価値観は本当に嫌いだ》といった批判が続出している。

作中に漂うのは昭和の価値観?

なぜこうした批判的な意見が上がっているのか。その理由は、女性キャラクターの設定に関係している。

現在公開されている「映画刀剣乱舞-黎明-」の情報によると、同作には刀剣男子の“仮の主”として、琴音が登場。また、へし切長谷部の“仮の主”である実弦(みつる)がギャル風の女子大生であることも明かされていた。

その一方で、男性キャラクターの“仮の主”としては、国家公務員の各務(かがみ)や、神職を務める倉橋(くらはし)といった人物たちの登場が示唆されている。

つまり片や高齢かつ地位のある男性、片や10代の学生としての女性たち…という対照的な構図だ。

さらに名前の紹介からして、男性は名字、女性は名前というところも賛否の的に。女性像があまりに古臭く、時代にそぐわないと反感を買ってしまった。

ちなみに原作「刀剣乱舞」では、ユーザーの分身・審神者の情報は一切明かされない。そのため映画化にあたっても、製作者の裁量で自由にキャラクター設定を考えられたはずだ。

ただでさえフィクションの設定については、繊細な配慮が求められる時代。成人女性が主なターゲットとなる作品ならなおさら、注意すべきだったのではないだろうか…。

文=「まいじつエンタ」編集部

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Khosro / PIXTA