ジャンプ人気連載が完結ラッシュ!? 中堅不在…『鬼滅の刃』がもたらした功罪

ジャンプ人気連載が完結ラッシュ!? 中堅不在…『鬼滅の刃』がもたらした功罪

ジャンプ人気連載が完結ラッシュ!? 中堅不在…『鬼滅の刃』がもたらした功罪 (C)PIXTA

大ヒット作が乱立し、“ジャンプバブル”と言っていいほどの活況に沸いている『週刊少年ジャンプ』。しかしここ最近、連載中の人気作品が次々とクライマックスを匂わせる展開に突入しており、読者たちに不安が広がっているようだ。

看板漫画から中堅までもがラストスパート

6月5日に発売された『週刊少年ジャンプ』27号では、3つの作品で激動の展開が描かれている。

まず看板作品の一角『僕のヒーローアカデミア』では、ヒーロー側とヴィラン側の最終決戦が繰り広げられている最中。最新話では物語の大きな軸だった轟家の問題が、ついに決着を迎えることとなった。

作者の堀越耕平は、巻末コメントにて「ラストスパート走り抜きます」と宣言しており、作品の完結が近づいていることを感じさせる。

また、現在アニメが放送中の『マッシュル-MASHLE-』と、ラブコメ枠の筆頭である『アオのハコ』に関しても、物語の大きな山場にさしかかる回となった。

「今回の『ジャンプ』は激動の回が相次いでいましたが、少し前から松井優征の『逃げ上手の若君』も話題を呼んでいました。当初、物語のクライマックスになると予想されていた中先代の乱が終わり、怒涛の展開に突入しているのです。

さらに言えば、看板漫画の『ONE PIECE』と『呪術廻戦』も終盤を匂わせているので、数年以内に連載ラインナップががらりと変わることになるでしょう」(漫画ライター)

『鬼滅の刃』が及ぼした影響力

現在連載中の6つの人気連載が、山場に差し掛かっている状況。今後、新章へと突入する作品もあるかもしれないが、いくつかは完結に向けて舵を切るだろう。

そうなると、気になるのが残った作品のラインナップ。掲載順で中堅以上の位置に来ている連載は、『ウィッチウォッチ』『あかね噺』『SAKAMOTO DAYS』しかない。

「人気が出た漫画は編集部が引き伸ばしを仕掛けるので、看板作品が一斉になくなるという状況は普通考えられません。しかし『ジャンプ』の場合、『鬼滅の刃』の影響で特殊な状況が訪れています。

『鬼滅の刃』は引き伸ばしを一切図らず、テンポよく物語を畳んだことで大成功を収めた異例の少年漫画です。その影響で『ジャンプ』の引き伸ばし文化は薄れつつあり、作品にとって最適なタイミングで完結しやすくなりました。

しかし編集部にとって誤算だったのは、ここ数年新連載からヒット作がほとんど出ていないこと。このままでは世代交代が上手くいかず、“看板漫画の不在”という事態に陥るかもしれません」(同)

この状況が続けば、人気連載を確保するため、引き伸ばし文化が復活する可能性も大いにあるだろう。吾峠呼世晴のような救世主が現れることやメディアミックスでの広がりに期待したい。

文=「まいじつエンタ」編集部

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