青山剛昌、高橋留美子が辛らつ発言! サンデー新人賞でレジェンド漫画家たちが苦言

青山剛昌、高橋留美子が辛らつ発言! サンデー新人賞でレジェンド漫画家たちが苦言

青山剛昌、高橋留美子が辛らつ発言! サンデー新人賞でレジェンド漫画家たちが苦言 (C)PIXTA

6月7日に発売された『週刊少年サンデー』28号で、「第92回小学館新人コミック大賞」少年部門の結果が明らかになった。そこでは同誌を代表するレジェンド漫画家たちが審査員を務めたのだが、辛らつな講評が飛び出してしまったようだ。

「基本中の基本」が抜けている作品も…

今回の「第92回小学館新人コミック大賞」少年部門では、最終審査の結果、入選が1本、佳作が2本という結果に。「審査員総評」では、全体的な応募作品に対して審査員たちがそれぞれコメントを行った。

しかしその内容は、手厳しいものがほとんど。『名探偵コナン』の青山剛昌は「キャラが結構上手いのに背景がそうでもないなー」という応募者がチラホラいたことを指摘し、背景の重要性を説いていた。

また、『うる星やつら』や『犬夜叉』で知られる高橋留美子は、全体的に画力やキャラクター作りのレベルが高かったと言いつつ、「ラストシーンが今ひとつ、という作品が多かった」という印象を語る。

なかでもとりわけ厳しかったのが、『ハヤテのごとく!』『トニカクカワイイ』の畑健二郎だ。「漫画の基本中の基本が抜けている作品が多かった」「この一作で、人生を変える気はあるでしょうか?」と言い、画力以前のミスが多かったことを指摘していた。

なかなか育たない「サンデー」の次世代作家

「小学館新人コミック大賞」は1978年からスタートした歴史ある新人賞で、偉大な漫画家を多数輩出してきた。

「実をいえば今回審査員を務めた青山や高橋も、同賞からデビューした作家の1人でした。ほかにも藤田和日郎や浦沢直樹、鬼頭莫宏など、歴代の受賞者は錚々たる面子です。ですが最近では、ヒット作家がほとんど生まれなくなっており、関係者たちも頭を抱えていると聞きますね。

さらに言えば、そもそも応募数自体が減っているという指摘もあります。才能がある描き手の多くは『ジャンプ』の集英社に持ち込む上、今ではWebで作品を発表することもできるので…」(漫画ライター)

2014年の時点で、島本和彦が自身のツイッター上で『小学館新人コミック大賞』の応募数が史上最低を記録したことを呟いていた。

「一時期の小学館に関しては、作家の扱いが悪いという評判も有名でしたね。2008年に『金色のガッシュ!!』の雷句誠が『サンデー』に絶縁を突きつけ、編集部の内情を暴露。これに共感して、新條まゆなどの作家たちが続々と不満を漏らしました。その後、編集長の交代などを経て体質は変わっていますが、一度ついたイメージを払拭するのはなかなか難しいのではないでしょうか」(同)

審査員たちの厳しい言葉も、「サンデー」の黄金時代が復活することを願う熱意があってこそ…なのかもしれない。

文=「まいじつエンタ」編集部

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