ジャンプ新連載がサンデーと真っ向勝負!“RIZIN以後”総合格闘技漫画の隆盛

ジャンプ新連載がサンデーと真っ向勝負!“RIZIN以後”総合格闘技漫画の隆盛

ジャンプ新連載がサンデーと真っ向勝負!“RIZIN以後”総合格闘技漫画の隆盛 (C)PIXTA

6月19日発売の『週刊少年ジャンプ』29号にて、新たな連載作品として『アスミカケル』が始動した。その内容は昨今流行りの総合格闘技(MMA)を題材としたものとなっており、『週刊少年サンデー』で連載中の人気漫画と“設定かぶり”を起こしている。

王道と邪道の格闘技漫画がスタート

「アスミカケル」は、かつて「ジャンプ」で連載されていた人気漫画『火ノ丸相撲』の作者・川田による新連載だ。

主人公の明日見二兎は、認知症の祖父を介護しつつ、“50点くらい”の生活を送る高校生。ある日、プロMMA選手を目指す眼鏡女子と出会った二兎は、とある出来事から武術の才能を見せ付け、平凡だった日常に変化の時が訪れる──。

イジメに近い扱いを受けていた平凡な高校生が、格闘技の世界に踏み出していくという王道の展開だが、奇遇にも現在「サンデー」ではほとんど同じような設定の作品が人気を博している。

その作品とは、2022年の「サンデー」7号から始まった波切敦の『レッドブルー』。根暗な日陰者の鈴木青葉が、格闘技界で華々しく活躍する高校生スター・赤沢拳心を「一発殴る」ために総合格闘技を学んでいく…というストーリーだ。

こちらもイジメを受けていた主人公が、総合格闘技の世界に踏み出すという展開なので、「アスミカケル」とそっくりだと言えるだろう。ただ、「レッドブルー」の主人公はイジメを救ってくれた善人に対して憎悪を燃やすという極端にひねくれた設定なので、王道と邪道として棲み分けできるかもしれない。

漫画の世界にも総合格闘技の波

「ジャンプとサンデー、三大少年漫画誌で相次いで似たような作品が出てきたのは、近年の総合格闘技ブームが理由でしょうね。

そもそもここ十年は格闘技自体の人気が下火になっていましたが、さまざまなスター選手のビッグマッチを組むRIZINの取り組みもあり、ふたたび格闘技ブームがやってきました。

若者たちの間にも総合格闘技が浸透しているので、少年漫画誌の編集者はここぞとばかりに時流に乗ろうとしています」(漫画ライター)

総合格闘技を題材とした漫画自体は、以前からあちこちで生まれていた。とくに評価が高いのは、『週刊ヤングマガジン』に連載されている木多康昭の『喧嘩稼業』だ。

「各格闘技の“最強”が16人集まり、トーナメントを繰り広げるという至高の設定で人気を集める『喧嘩稼業』ですが、掲載ペースは非常に不安定。3年近く休載が続いており、格闘漫画界の『HUNTER×HUNTER』のようなポジションになっています。

総合格闘技漫画の供給がぽっかりと空いているため、天下を獲るなら今しかないという状況でしょう」(同)

最強の格闘技漫画は何か…。これから覇権争いがますます過熱しそうだ。

文=「まいじつエンタ」編集部

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